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英国医学研究留学記

London Snap

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雨が降ったり止んだりする肌寒い日がまだまだ続いているロンドンです。今週の天気予報でも、まだまだ気温は12~13℃くらいで雨ばかりの天気が続くとの予報です。気をつけていないと、うっかり風邪を引きそうです。

仕事は相変わらず忙しくしています。備忘録代わりに忙しい理由と最近のイベントを少し。

3週間程前に、MRCが創立100周年を記念した特別枠の研究費のアナウンスをしました。1年だけの研究費ですが、(1)卒後12年以内の若手の独立したての研究者で、かつ、(2)MRCからフェローシッップかNew Investigatorのグラントを獲得した人達のみ限定で応募でき、(3)一件あたり総額£10万(日本円で1500万くらいでしょうか)を(4)120人分用意が有る、と云うモノです。応募できる人が限られているので、これはきちんと応募さえすれば『相当にあたる確率が高い』と云え、これは応募しないヤツははっきり言ってアホだと思います。ただし、締め切りは5月半ば、準備期間はちょっとしか有りません。で、急遽、こいつの準備にかかり始めました。書いては校正し、周囲に読んでもらって批判を得て、それを元にまた書き直しと云う忍耐を強いられる作業をまたまた続けています。

基礎配(BMedSCi)の今年の学生君の論文の締め切りも近づいてきました。今年の学生君は、イースターの2週間の休暇に出かけたモノの、帰ってくるはずの日に帰って来ず、どうしたのかと思えば、タイに出かけていてインドネシアの地震により津波の恐れからフライトがことごとくキャンセルになったため、タイから出ることが出来なくて、1週間遅れで英国へ帰ってきました。問題は、提出期限まで「あとたった1週間しかないこと」です。1ヶ月以上前から早く書けとせっついていたにもかかわらず、ふたを開けてみれば「ほとんど何もかけていない状態」で有りました。
orz
ひとまず、「教育担当教官にタイで拘束された事情を話をしに行き、締め切りを延ばしてもらえ!」と云うところから先週の月曜日はスタートしました。だいたい、こういう交渉も僕から云われずとも、自分のことなんですから進んで自ら行うべきと思うんですがねぇ.......、頭が痛いです。その上に、例年同様、実はほとんど科学的文章を欠く訓練が出来ていない(書かせても箸にも棒にもかからない文章しか書けない)ことがめでたく判明し、僕の神経をこのところ最高にいらだたせる原因となっています。(-"- )

この国の高等教育は、「はっきり言ってビジネス(商売)」でして、学生は大学院生も含めて「顧客」なんですね。ですから、学生の能力不足に因って足りないところを「学生の満足度を得るために教官が鋭意努力をしないと行けない」という誠におかしな事が近年まかり通っています。義務教育じゃないんですから、学生が努力を怠った事に対しては、教育スタッフの責任とは云えないと思うんですけどねぇ.......ハァ.....。これで僕が責任を持つ学生が落ちた場合は、なんと、「僕の指導力が問われる」訳です。
これで良いのか!!英国の教育は!!!! 
(ノ`Д´)ノ ==== ┻━┻ (←ちゃぶ台、ひっくり返しています)
毎年、この件で実は愚痴っていますね......、失礼いたしました。m(_ _)m

こいつが片がつくまでは、自分の本来の仕事の時間を割いてまで「出来の悪い学生の面倒を見ないと行けない」わけで、当面は振り回されます。論文の分量は本文が約6000 words。これは学術雑誌のfull articleとほぼ同じ分量です。学生が教育担当と交渉した結果「1週間だけ」締め切りを延ばしてもらいました。残り時間はおかげで2週間になりましたが、full article並を2週間(しかも僕が全部書くのではなく、「書けない学生に書かせながら添削しつつ仕上げる」のです。頭、痛すぎ.....)で仕上げないと行けません。ひぇ~ (>_<)

この忙しい合間を縫って、先週は仕事上必要なbioinformaticsの解析について学ぶための企業が主催する講習会に、Imperial Collegeへ行っていました。2日間のコースでしたが、すこし頭の中が整理できました。でも、まだまだ、勉強しておかないと行けないと云う事も理解できました。特に統計は、もう少し突っ込んだ勉強が必要です。これにからみ、一本、小さい論文を執筆中で、共同研究者に読ませて中身を吟味してもらっています。何人かのkey personに読んでもらって皆が中身にhappyと確認でき次第投稿するつもりです。

今週は、ちょっくら必要な実験手技で、未だ僕がやった事がないことを教えてもらうために、友人の居る研究室を訪問して教えてもらう予定です。BHFの募集中のポスドクは、1週間程前に募集が締め切られ、大学の事務から応募者のCV(Curriculum vitae; 履歴書)が回ってきました。思った程応募者が多くなく、ちょっとがっかりした面もありますが、一応使えるかもしれない人材が3人程いましたので、実際にどんな方か、この人達と面接をした上で採用を決めます。その日程の調整も現在しています。会ってみてやっぱり今一なら、再募集もあり得ますので、こちらも頭が痛いです。もう一件の方のMRCのポスドクは現在募集中で、5月末まで応募の予定。良い人が応募してくれていると云いなぁ......

もう、自分の研究(実験)をしながら教育と研究上の必要な雑用(書類の作成や共同研究者とのやり取りなど)、これらを全部こなすのはもはや限界かも.....と弱気になりがちになる自分を、いやいや、僕の師匠のH教授は朝から晩まで実験をしながらも全部こなしとったやないか!と自分を鼓舞する日々です。今更なんですが、僕の師匠はまったく能力的に僕が太刀打ちできる相手ではない事が、この期に及んでもまだ思い知らされる日々です(はっきり言って、すごすぎます....)
(;´^`)ゞ

テーマ:GR DIGITAL - ジャンル:写真

  1. 2012/04/30(月) 09:00:00|
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Dr Ken

Author:Dr Ken
元小児科医。ある日より、医師としてのキャリアではなく、研究者としてのキャリア・パスを志す。2007年の8月よりロンドンにある某大学医学部に講師として赴任。なかなか上達しない英語が、少し歯がゆい。万年筆と銀塩フィルムカメラが好き。縁があってやって来たこの国での貴重な体験や日々感じた事を、写真と一緒に記事にしています。

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