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英国医学研究留学記

ボーイスカウト創立記念日

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GRD2 ISO80 f2.4 1/40s
タイトルと写真は何の関係もありません(なんでレゴのダース・ベーダーやねん、と思われるかもしれませんので、念のため)。

相変わらずばたばたしていますが、ちょっと時間が出来たので、心配して下さっている方も居ると思われますので、近況報告を。

まずは、昨年の7月にBritish Heart Foundationに応募した競争的研究資金は、先日、無事に採択が決定したとの連絡がありました。3年分の研究費で、ポスドクを雇う給料込みですので、この春以降、やっと僕の名前を使って「Dr Ken研」と名乗ることが出来ます。それよりも、3年間はクビになる要素が消滅しましたので、向こう1~2年は、もちろん良いアイデアが浮かべばまたあらたな追加の研究費を獲得に行きますが、まずは「論文に仕上げる」作業に没頭できそうです。僕一人の力ではなく、僕の周囲の方々のヘルプがあってこその獲得ですので感謝したいですが、なによりも周囲の人たちが皆喜んでくれているのを見て、こちらも嬉しく思いました。また、自分が獲得した研究費で「自分のオリジナルの研究」を推進できる喜びを改めてかみしめたいと思います。

一方、8月末に応募したもう一件の競争的研究資金は、無事に一次審査を通過し、最終的な採択の可否を決める評議委員会議にあげられる事が決まったとの連絡が2週間前にありました。一次審査を通過すると、一次審査の審査員(4人います)の批判に対して反論する機会が与えられますので、その反論の書類の締め切りが、実は昨日の夕方でした。この2週間、説得力のある文章にするために、何回も書き直し、周囲の教授陣にも相談に行ったりして、ぎりぎりまで文章を校正していました。
反論のために、古巣のH教授にも少しヘルプをお願いしたところ快く引き受けて下さり、H教授研の昔の研究仲間のSさんやIさんが手伝ってくれました。皆さん、本当にありがとうございました。研究者というと、isolateされた人間像を思い浮かべるかもしれませんが、けっしてisolateしては物事はうまく運ばないですし、皆さんのおかげでこうして自分が前に進めるのだなと実感します。ご恩返しのために、先々、僕が何かでお役に立てたらなと思う次第です。この研究費がとれれば、かなり思い切った展開を試みることが出来ますので、大いに期待したいところです。だめだった場合は、いろいろ反省をして、足りないところを強化した上で、再び研究費申請書作成の「苦しい作業」が待っています。最善は尽くしたつもりですので、あとは「果報は寝て待て」と思います。

そうした苦しい作業の合間に、古巣のH教授研のポスドク、Sさんがケンブリッジに共同研究の相談に来た帰りに寄っていってくれました。一泊、我が家に泊まってもらい、いろいろと研究や研究を取り巻く日英の環境の違いなどの話題に花が咲き、物書きの合間の良い気分転換になりましたし、楽しい時間を過ごさせていただきました。Sさん、またゆっくりと遊びにきて下さい。

来週から、またもやBMedSCiのintercalated course(日本の医学部の基礎配属みたいなモノです)が始まり、またまた教育のデューティと自分の研究活動の間に挟まれて忙しくなります。しばらくは、ブログの更新は不定期で更新間隔も長めになると思いますが、気長におつきあいくださいますと幸いです。

テーマ:雑記 - ジャンル:日記

  1. 2012/01/24(火) 18:11:44|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:16
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コメント

こんばんわ~

「Dr Ken研」おめでとーございますv-314
欧米の方々はレゴが大好きなんでしょうか
シドニーでたくさん見たのを思い出しました
ちょっと首から上が位置的におかしい感じもしますけど...力作ですね~
  1. 2012/01/25(水) 12:22:29 |
  2. URL |
  3. yo #vYXebdWU
  4. [ 編集]

Re: こんばんわ~

yoさん
ありがとうございます。
今まで全部一人でやっていたので、とても「~研」とは言い難い状況でしたが、もうじき人数が僕を入れて複数になります!
レゴ、人気あると思いますよ。Lego Landというレゴがプロデュースする遊園地もありますし(Lego Land、近々日本にも出来ると聞きましたが)

確かに、クビがちっとおかしく見えますね!
  1. 2012/01/25(水) 18:59:22 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #-
  4. [ 編集]

お疲れ様でした

研究費の書類は本当に大変ですよね、しかも英語とは。。。僕には気が遠くなります。再び吉報が届くことを心よりお祈りいたしております。
  1. 2012/01/25(水) 19:32:35 |
  2. URL |
  3. Kazu #-
  4. [ 編集]

Re: お疲れ様でした

Kazuさん
ありがとうございます。もう一件は、全力は尽くしましたので、吉報を待ちたいです。

英語での申請ですが、実は僕は大学入試などでは英作文は苦手でしたし、日本語でもお世辞にも文才はありません。でも、科学における文章は(偉そうに言うほど書けませんが)ある程度は「技術」と思います。言い換えると、訓練するかしないか、でしかないと思います。あまり自分の限界を最初から設けずに、飛び込んでみるのがお若いうちはよろしいのではないでしょうか?「やらずに後悔するよりも、やって後悔」の方が、人生楽しいのではないかと信じている次第です。

ではでは、日本人研究者会議でお会いしましょう!
  1. 2012/01/25(水) 20:03:47 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #-
  4. [ 編集]

なるほど

勉強になります。僕もトライしてみます!(まずは日本語の若手枠からですが笑)

それにしてもDr Kenさん、ヒトを鼓舞するのがたいへん上手ですね!
  1. 2012/01/26(木) 13:27:59 |
  2. URL |
  3. Kazu #-
  4. [ 編集]

Re: なるほど

Kazuさん
科研費の申請書も、全く同じ工夫が必要でしょうね。英語での申請書と変わりません。科学的にも重要である事、実現可能なプロジェクトである事が主張できているのが前提の上で、
1)解りやすい事(図表も駆使)
2)読みやすい事(全体の構成)
がすごく大事と思います。特に読みはじめの最初でboringだったり解りづらいとアウトと思って良いです。そう考えると、冒頭の「要約」が如何に大事下という事ですね(脳みそが解けるくらい校正した方が良いです)。最初の1~2ページの「つかみ」でポジティブにとってもらえ、最後まですーっと読み進められる構成で書いてあれば、採択の可能性が高くなると思います。こんなのも、サイエンスには全く関係のない只のノウハウ、技術ですよね。

人よりも、まずは「自分を鼓舞して奮い立たせる」事をしないと、足がすくんで立ち止まってしまいますからね。一度の人生、やっぱりチャレンジでしょう!
  1. 2012/01/26(木) 13:44:12 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #-
  4. [ 編集]

おめでとうございます!!

研究のことはよくわかりませんが、DR,KEN研、おめでとうございます!!すごいですね!!オリジナリティを出せる仕事は楽しいしやりがいも大きいですよね!!負けないように頑張ります!!
  1. 2012/01/26(木) 16:07:26 |
  2. URL |
  3. 遮断鉗子 #-
  4. [ 編集]

Re: おめでとうございます!!

遮断鉗子先生

ありがとうございます。
先生、学会で見事にかましてきて下さいね!(ちょっとずっこけるサクラとしては行けそうにありませんが)。
  1. 2012/01/26(木) 16:19:34 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #-
  4. [ 編集]

おめでとうございます

おはようございます。それにしてもDr. Ken、大変な成果ですね!おめでとうございます。

私がクリーブランドクリニック時代に知り合った日本人研究者も、数人が日本でのキャリアを捨てて、こちらでズット研究を続けられて、大きな成果を出していらっしゃるようです。

いつも配偶者と話すのですが、日本は研究者が実力を発揮することの出来る土壌が基本的に欠落しているのではないかという印象を持っています。そしてそのようなことが日本という国家の損失であるという事に気づいていないようにも見えます。

ガンバッテください!
  1. 2012/01/26(木) 17:04:52 |
  2. URL |
  3. surgeon24hrs #xJW3mR9c
  4. [ 編集]

Re: おめでとうございます

suregon24hrs先生

激励していただき、ありがとうございます。一歩ずつですが、なんとか足場を固めて行けてる気がします。
今年はなんとか年末までに論文を一本書いておきたいと思っています。

先生のおっしゃる「土壌の欠落」は、本当にそうだと思います。日本で大事にされているのは、「何をして来て、どういうアイデアがあって何をするのか?」ではなくて、「誰のお弟子さんか?」「誰とコネがあるのか?」が一番。要するに縁故主義がすべてなのだと思うように成りました。こうして海外で足場を固める程、僕は日本へは帰れなくなるのだと思います。

国家の損失と考えたりはしないでしょうね。縁故主義で既得権益を握っている人たちは「自分たちの保全」がすべてであって、日本の将来なんかでは無いでしょう。研究だけではなくて、外科医もそうではないでしょうか?
  1. 2012/01/26(木) 22:42:13 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #-
  4. [ 編集]

よかったね

無事研究費獲得おめでとさん。ホントによかったね。
  1. 2012/02/02(木) 08:55:52 |
  2. URL |
  3. たかし #-
  4. [ 編集]

Re: よかったね

たかしへ
サンキュウです。
次は論文です。論文が出ると、先々どうしたいか(日本でのジョブ・ハンティングも含めて)具体的にえがける様になると思いますが、ひとまず英国でクビになる事態はシャレにならないので、腰を据えてやりたいです。
  1. 2012/02/02(木) 12:48:50 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #-
  4. [ 編集]

レス遅くなりまして大変失礼いたしました。

研究費の件、参考になります。論文も、いったん書いてから何百回、何千回と読み返して書き直せと日本のボスに口を酸っぱくして言われていました。研究費の書類もまったく一緒ですね。「つかみ」が悪いと読んですらもらえないと聞きますし。

異動が近づいて慌ただしくなってきましたが、自分を鼓舞して頑張ります!
  1. 2012/02/10(金) 20:02:23 |
  2. URL |
  3. Kazu #-
  4. [ 編集]

Re: タイトルなし

Kazuさん
何もかもが満足な労働環境はどこにもありませんから、少しでも良いポジションを狙うにあたり、あきらめたり腐ったりした時点で「負け」ですよね。
申請書は、20~30回くらいは書いちゃつぶしを繰り返すべきでしょうね。
お互いにがんばりましょう!
  1. 2012/02/14(火) 14:27:41 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #-
  4. [ 編集]

おめでとうございます2

素晴らしい!これがポスドク一人目だったんですね。どんなに嬉しかったことでしょう。奥さんと乾杯されたんでしょうねぇ。素晴らしいなぁ。
  1. 2012/02/29(水) 05:33:11 |
  2. URL |
  3. Ken #-
  4. [ 編集]

Re: おめでとうございます2

Kenさん
そうなんですよ。この4年間、ずっと一人で黙々と実験をしてきました。
今は、最初に始めたプロジェクトに加え、ここから派生した2つのプロジェクト(今回の2つのグラントのネタ)も加わり3つを一人で今やっていて、目が回りそうです。ぜひとも「使える」ポスドクを雇いたいモノです!
  1. 2012/02/29(水) 15:51:36 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #-
  4. [ 編集]

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Dr Ken

Author:Dr Ken
元小児科医。ある日より、医師としてのキャリアではなく、研究者としてのキャリア・パスを志す。2007年の8月よりロンドンにある某大学医学部に講師として赴任。なかなか上達しない英語が、少し歯がゆい。万年筆と銀塩フィルムカメラが好き。縁があってやって来たこの国での貴重な体験や日々感じた事を、写真と一緒に記事にしています。

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