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英国医学研究留学記

接種率

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昨日、ワクチンのことを書いたので、もう少しワクチンのことについて思っていた事を。
小児科時代からの友人(まさに戦友です)に、感染症の医療に情熱を傾けている小児科医がいて、彼によると先進諸国の中で日本での麻疹(はしか)ワクチン接種率は最低で先進国としては恥ずかしいレベルだとよく言っていました。
小児科サイドからは接種率を上げるべく随分前からキャンペーンを行っているにもかかわらずです。

日本人は麻疹を軽く考えがちです。
もちろん、「麻疹発症=即入院」と言う訳ではありませんが(入院が必要かどうかはケース・バイ・ケース)、麻疹はどんな感染症と比べても(熱帯のエボラ出血熱等の特殊なものは例外として、少なくとも日常的に良く見かける感染症の中で)、症状が激しく感染力が強くて、麻疹肺炎等の合併症を生じたときには死亡転帰を含めてかなり重症化する事が予想されます。
麻疹に罹患した場合の危険性をもっと深刻に受け止めるべきで、これも防げるなら防いだ方が無難と言うのが、病気の実体を知ってしまった者の正直な感想です。
日本に於いては、学校の家庭科や産後の母親向けの子育て学級等で子供への感染症に対する啓蒙に力を入れた方が良いかもしれません。

日本に住んでいたときに、子供の通う幼稚園で水痘が流行した際、我が子に感染してもらいに何人かで罹患した子の家へ行って、罹患児の使ったスプーンを我が子になめさせた母親達がいると言う話を聞いたときには(人づてに聞いた話で、真偽の裏までとっていませんが)、気絶しそうになりました。
水疱瘡なんてと軽く考えているのだと思いますが、麻疹も含め水痘・風疹(三日はしか)・流行性耳下腺炎(おたふく風邪)のなかで、もちろんこれらも発症したら直ぐに入院とはなりませんが、まったく合併症の可能性の無い安全な感染症なんてないはずです。
インターネットが普及しこれだけ情報が容易に手に入る(ある意味氾濫している)時代に、なんと言う事だと思います。
これがもし本当の話ならば、そんなことをしている人たちの責任ももちろんですが、医学専門教育を受けていない市民をこのような誤った認識のまま放置している医療行政側の責任なのかもしれません。

この写真も、King's College Medical School内の光景です。

テーマ:科学・医療・心理 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2008/10/03(金) 10:18:08|
  2. 医学
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

こんばんわ~

やっぱりイングリッシュガーデンなんでしょうか
計算されてきれいにお手入れが行き届いているお庭は気持ちいい~です~v-398
でも学校なんですね~
  1. 2008/10/03(金) 16:15:33 |
  2. URL |
  3. yo #vYXebdWU
  4. [ 編集]

コメント、ありがとうございます。

欧米は、公園だけはなくて、研究所や大学構内もきれいに手入れがしてある花壇などがあって、気持ちがいい所が多いですね。こちらでは芝がとてもきれいです。日本にいたときにつとめていた某国立大学では、そういう所にかける経費があまり無いのか、荒れ放題に近くなってやっと手入れが入ったりしますので、基本的にインフラ整備に対する考え方が大きく違うのだろうなと思います。特に英国は古いものを大切にするお国柄なので、外見は古い建物でも、中はとてもきれいに整備されていたりします。エジンバラなんかは12~13世紀頃の建物に、普通に人が住んでいたりしますよ。是非、yoさんの旅行の計画に英国も入れてやってください(笑)。お勧めは6月後半から7月ですかね(ウインブルドンの頃)。8月に入ると急に秋に向かうので当たり外れが大きいと思います。
  1. 2008/10/03(金) 17:16:02 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #HfMzn2gY
  4. [ 編集]

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Dr Ken

Author:Dr Ken
元小児科医。ある日より、医師としてのキャリアではなく、研究者としてのキャリア・パスを志す。2007年の8月よりロンドンにある某大学医学部に講師として赴任。なかなか上達しない英語が、少し歯がゆい。万年筆と銀塩フィルムカメラが好き。縁があってやって来たこの国での貴重な体験や日々感じた事を、写真と一緒に記事にしています。

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