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月曜までの暑さ(といっても30℃前後ですが)とは打って変わり、昨日からは予報通りやや涼しい天気。晴れて居てもまるで大阪では晩秋の頃の天候。
2月ごろからやっていた研究費申請書の作成もほぼ佳境で、大学のファイナンス部門でのコストの計算も終わり、もうじき提出できるかなという所です(多分、笑。未だ研究所の所長さんに見せていないので、彼がイマイチと思う箇所があったら、またまた書き直しが待っていますが)。論文の投稿と一緒で、採択の可否はレフリーが誰かで相当結果が変わってくると思うのですが、こればかりはロシアン・ルーレットみたいなもんで出してみないと分かりません。書き上げるまでに何度も原稿を頭から書き直すのは、本当に苦しいのですが、待つ間も胃が痛い事です。
別件で新しいアイデアの研究費申請の可能性を模索し始めたので、今まで書いていたものを8月末締め切りのMRCにも提出できるように書き直しながら、新しいものも書き始めました。またまた、練り上げるための苦しい苦しい「書いちゃ、つぶす」の繰り返しをゼロから始めないと行けないかと思うと、かなり気が重いのですが、研究費がとれないと仕事にならないので仕方がありません。
実験もしないと行けませんし、さらに忙しくなります。まっ、自分で自分の首を絞めているようなもんですが。ブログの更新、またまた頻回にとは行かなくなりそうです。
明日は学校の先生のストですが、なんとUK Border Agency(入国審査をしている方達)もストだそうで、明日に英国入りする人たちは空港で大変な思いをするのではないかと思います。ビン・ラディンの暗殺以来、空港の審査が出国も入国も厳しくなっていつもよりもずっと時間がかかる上、英国への入国審査は英国人達のマイペースさも手伝っていつも時間がかかりますから、それ以上に時間がかかるのかと思うと、ちょっとぞっとします。僕が英国にこの前帰国したときは、Border controlの列に並んでから外に出るまでに1時間半かかりました。
昨日、大学・科学担当大臣David Willettsにより高等教育に関係する白書が発表になり、今後、英国内の各大学は成績優秀な学生の獲得に向けて競争を余儀なくされると報道が有りました。英国の大学は基本的には日本に於ける国立大学と同じで、大学の運営費の多くは政府から拠出される補助金(つまり税金)に因ります。学部学生の大半は英国国籍を有する学生で、新年度前に予算は既に固定されていますから、えいやっと思い切って云ってしまうと、税金に拠る補助金の額で学生が願書を出す前に各学部に置ける「定員数」は決まってしまっている訳です。インターナショナル・ステューデントには政府からの補助金が付きませんので、英国の学部学生の1割いるかいないかのインターナショナル・ステューデント達は、英国内の学生の何倍もの学費を払わないと行けません。
昨日の報道に因れば、成績優秀な少なくとも65,000人の学生に対しては、(各大学あたりの人数の制限を設ける事無く)入学させた大学には政府が確実に補助金を出すことになりそうで、言い換えれば、成績の良い学生を取れば取るだけ補助金が確保できる(つまり定員数に上限を設ける必要も無くなる)事になるそうです。したがって、どのようにして成績の良い学生を確保するか、大学は学生に対し如何に質の高い教育の機会を提供できるか、OB達の進路から卒後に如何に割の良いキャリア・パスが期待できるか、といったアピールが必要になるのでしょう。英国の大学は、日本と違って「ビジネス」としての側面が国立でありながらずいぶんと傑出してしまっているように見えます(ですから、インターナショナル・スチューデントは貴重な収入源で大歓迎だったりします)が、こういう教育政策が吉と出るか、はたまた「顧客としての学生にどのように満足を提供するか」といった商業的側面だけが今以上に加速してしまうのか、経過を見守りたいと思います。
テーマ:雑記 - ジャンル:日記
- 2011/06/29(水) 14:27:24|
- 英国
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