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ロンドンは桜がかなり咲き始め、木々も芽吹き、とうとう春らしくなりました。
原発の事故に対する政府および東電の対応は、海外から見ていると「何やっているんだ」という風に見えます。
もうこの時点で上層部の「どうやって責任を逃れようか」という姿勢が垣間見えてなりません。
被爆の危険を冒して現場で対処している社員や自衛隊員、住民の方々はやりきれないのではないでしょうか。
BBCも含め海外メディアの報道はチェルノブイリ事故に匹敵する重大な事故との認識と僕は受け取っていますが、日本のメディアの報道はそうは見えません。
だいたい、原子炉が何号機まであってトラブル無しの原子炉は何台あるのか、全く発表されないのもおかしい。爆発したりしそうになってから「実は....」という発表には地元の人たちは納得できないでしょう。
世界中が見ている事も忘れてはなりません。
責任を取る代わりに高給を取っているのでは?
覚悟が無いなら責任ある立場なんかに付いては行けないと思います。
M3.comという医師専門のサイトでは、被災地での病院で薬や器具だけでなく、自家発電の重油と、山村の診療と医療従事者を病院へ運ぶための車のガソリンが不足し深刻な事態に陥りつつあると、野戦病院と化した病院内で戦う医師の悲痛な叫びが投稿されていました。車が無いと、医師と看護師を集めれないそうです(院内に泊まれる所があまり無いので、職員は通わないと行けないのに)。医師も看護師も人間ですから、ずっと眠らない訳には行きませんから、交代が必要です。暖房がないため夜間の冷え込みも厳しく、患者さんが低体温症で「病院内にいるにも関わらず」最悪死亡する事態もあり得るという状況のようです。こういう情報、マスコミの報道では知り得なかったので、読んでショックでした。ただ単にガソリンが足りないだの物資の輸送が困難などの上っ面の報道だけで、現場で何が起こっているのかマスコミの報道では全く見えてきません。
当事者じゃない者は外からはいくらでも批判めいた好きなことが云えると、政治家などは云うかもしれませんが、好きでその仕事を選んだのじゃないですかと云いたい。医師をしていたときには僕が施す医療行為に関しては何かあれば責任を取る覚悟で仕事をしていましたし、現在の研究に関わる事でもそういうつもりでやっています。現場で何が起こっているのか、目を開けて見ないといけないのではないでしょうか?。
GR BLOG トラックバック企画「アウトドア」に参加
テーマ:雑記 - ジャンル:日記
- 2011/03/15(火) 20:45:34|
- 日本
-
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| コメント:6
これステキな写真ですね~ トラックバック企画に参加してもいいのでは
バックの青空と桜のコントラストがいいし、構図もバッチリです
被災地の方々だけでなく日本全体の震災なので全員ができることをしよう...っていう雰囲気になってます
そのせいかみなさん多少納得できないことも飲み込んで耐えてるので...
計画停電も被災した人たちに比べれば大したことないっていう意見が多いです
さすがに原発事故は耐えられませんけど...日本中が原子炉の構造に詳しくなりました

- 2011/03/16(水) 12:41:11 |
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- yo #vYXebdWU
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M3での話は医師の親友からも聞いています。なかなか難しいですね。TVにはつくづく愛想が尽きる部分も多々あります。私自身はアーリーアダプターで、ネットによる先っちょの情報に接していると思いますが、大方の人はやはりTVを主としたレガシーメディアに頼らざるを得ず、政治家はそこをうまく使いこなす術だけに目ざとくなっているようです。
本論を外れますが、枝野幹事長と菅首相の記者会見は比較するのも可哀想になるくらいレベルが違います。いまさら馬脚でもないですが、首相という指導者がいかに総合的な能力とは関係なく選ばれるのかを今更ながらに見せつけられています。もちろん、私も民主に投票したひとりなのですが…
暴動や大規模な略奪が起こらない日本の民度の高さを感じつつ、それでも群集心理、パニック心理はひたひたと東京をも覆いつつあります。コンビニ、スーパーから一部の日常品がなくなりつつあります。また足下のガソリン不足は深刻なようで、流通を滞らせている主因です。ここ一週間ほどはプチパニック状態が続きそうです。
いま出来ることはなんなのだろうかと考えました。渡英歴で献血は不可なので、結局、募金と節電だけです。あとは買い溜めなどはもちろんせず、できる限り日常を淡々と過ごすだけだと考えました。依然、多数の余震が続いており、地震酔いで快調とは言えませんが、できるだけ医療関係者に不要な手間をかけることなく、平時に近い経済活動を行うことがいちばんなのだと。
季節の変わり目です。Dr Kenさんもご自愛ください。
- 2011/03/16(水) 15:58:22 |
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- kk #1jhbtX.k
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yoさん
ありがとうございます。
災害を目の当たりにし、気分的に企画に参加するのが気が引けてしまっています。もうちょっと考えてみようと思います。
ドイツでは原子炉が全て停止したそうです。前政権が作ったもうこれ以上原子力発電所は作らないし将来的に早める方向でと云う方針をメルケル政権になって撤回したのですが、今回の原発事故はこの方針に完全に待ったをかけざるを得なかったようです。よく考えてみると、地震そのものは天災ですが、原発事故はきっかけは予想だにしなかった大きさの地震だったとは云え「人災」なんですよね。
- 2011/03/16(水) 19:46:13 |
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- Dr Ken #-
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kkさん
お気遣いいただきまして、ありがとうございます。
お陰様でロンドンはずいぶんと気候が良くなりました。
そろそろ日本も「政局」で動く政治から本物の政治に舵を切ってもらいたいですよね。少なくとも能力が無い人には退場してもらわないと。
東京でそのようなプチパニックは、予想できる事でしょう、今の日本人の気質からすれば。新型インフルエンザで街行く人のほとんどがマスクをする民族ですからね。
僕自身も、同じく義援金に参加する事くらいしか出来ませんが、僕の周囲では何かしたいと動き始めている日本人も大勢いて、英国人達も皆がsynpathyを持ってくれています。日本は決して世界で孤立していないし皆が心配して見守ってくれている事、ここロンドンで起こりつつ有る事を少しでも伝えられれば、それも何か役に立つ事かなとも思います。
- 2011/03/16(水) 19:52:11 |
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- Dr Ken #-
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あのー色々誤解があるみたい。テレビでもチャンネルによるし、チェルノブイリの件も、海外での報道の件もきちんと放映されています。ドイツを始め海外の反応はどちらかと言えば内政問題を原因とするものです。ちなみに、ドイツですべての原発はとまっていません(そんなことをすれば供給が出来なくなる)。勿論、東電や政府それから日本人の国民性というよりもシステムに問題を感じます。
きちんと情報収集しましょう。あと、確かでないことや聞いたことは断定的な言い方はしないほうが良いと思います。
- 2011/04/07(木) 08:50:34 |
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- s #VWFaYlLU
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sさん
誤解を招く表現が有れば、謝りたいと思いますが、よく読んでいただければ、どこにも僕の意見が「全て事実で正しい」と断じていないです。あくまでも、僕の書いた事は英国の主にBBCの報道と日本のメディアで流れている事(主に新聞のweb siteです)、そしてこの記事の場合はM3.comという医療従事者限定のサイトで流れていた情報を元に「僕の感想や主観的意見」で、「~である」「~だ』という断定的表現は無いと思います。すべて、「~と感じる」「~と思う」という感想や意見を書いています。僕自身も、「匿名で断定的な表現をするのは卑怯な行為」であると考えていますので、あくまでも主観的な感想という立場を貫いているつもりです。
ドイツの原発は、旧型7基ですね。コメントへの返信で急いで書いたものですから、僕がこれを書いた1ヶ月前には誤解していたのでしょう。このブログは「報道」では有りませんので、あまり目くじらを立てないで大目に見てもらえればと願います。あくまで個人が感じた事、思った事を書いているブログです。
不愉快に感じられたのであれば、ごめんなさい。建設的なご批判に付いては、受け入れたいと思います。情報収集と云っても、僕自身は生命科学者であって、ネットの情報も玉石混合、どれがほんとでどれが嘘なのか、真贋の判別は専門領域以外の事ではモノに依っては難しいと思います。少なくとも初動期の日本の新聞の論調(「大丈夫」だと連呼している)とNY Timesを始めとする海外メディアの論調にかなり温度差があったのは事実と思います。海外の新聞のサイトなどもご覧になってみてください。4月6日付けのNY Timesのこの記事でも、まだまだ予断を許さない、安心は出来ないという論調ですが、日本のメディアの報道は、どちらかというともっと楽観的な観測の記事に見えるんです、僕の目には。
http://www.nytimes.com/2011/04/06/world/asia/06nuclear.html?_r=1&scp=2&sq=japan&st=cse
- 2011/04/07(木) 11:08:24 |
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- Dr Ken #-
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