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英国医学研究留学記

大寒

img033.jpg
Rolleiflex 2.8FX planar 80mm f2.8 HFT/Fuji Pro 400
今日は朝からFoggyで曇りの一日でした。

今日は朝から自分の培養細胞など、まずは午前中に手当てしておかないといけない実験上の作業をちょっとこなした後、医学部の2年生を対象にしたSSC(Student Selected Component)と呼ばれるモデュールの受け持ちの一人の学生さんに関しての作業に追われました。
SSCについては、以下の記事も参照。
SSC programme dissertation
意外な展開

このモデュールで、僕は3人の学生の面倒を見ています。
まずは1月の終わりから3月まで、学生が10人ずつくらいのグループでプレゼンテーションのセッションを行います。学生が自分が勉強したい病気を一つ選び、それに付いて勉強して15分(発表10分、質疑応答5分)のプレゼンを行う訳です。大学としては、自力で調査しまとめる能力と、それを決められた時間内でどのようにまとめて発表するか(スライドの作成も含めて)を訓練させたい訳です。そのあとに、その病気にまつわる新しい治療の試みや治療戦略に繋がりそうな病理病態の理解に関する基礎研究の論文を1本読んで、それに対するレポートを書いて提出することになっています。プレゼンもレポートも点数がつけられて成績に反映されます。プレゼンは採点する先生方がいて、レポートの採点は受け持った3人の分を僕が行います。

僕が属する研究室は、循環器疾患に対する幹細胞治療を目指す、いわゆるトランスレーショナル・メディシンの研究室なので、受け持った子達にはそれぞれ循環器の病気を選んでもらっています。もっとも、元々小児科医としてしていた仕事の多くは集中治療(NICUを含む)と循環器の仕事でしたし、基礎研究の方の専門はどちらかというと発生生物学がメインなので、先天性心疾患を選んでもらえると個人的には居心地が良いのですが、先天性の心臓の奇形は、残念ながら新しい治療戦略に繋がる基礎医学研究と言うのは現状では難しい(つまり、どうして奇形が生じるのかに関する研究はあっても、外科的修復に取って代わる治療戦略の研究というのは向こう何十年もの間にわたり考えにくいということ)ので、大人の病気を選んでもらっています。

今日は、受け持っている3人の中で一番熱心でまじめな女の子が、作ったスライドのたたき台を見てほしいというので、今日の昼一番に会う約束をして、午前中一杯であらかじめメールで送ってもらっていたスライドに僕が手直しをする作業をしました。選んでもらっていた「お題」は、欧米の死因としては癌を上回る虚血性心疾患です。こういうプレゼンの機会は初めてとあって、字は小さいは一枚の中に一杯字が書いてあってうるさいわと突っ込みどころが満載だったので、必要最小限の手直しにとどめたつもりでしたが、思ったよりも時間をとられました。午後から僕のオフィスで、どこがだめでどういう意図でどう直したのかを1枚ずつ見ながらディスカッションをし、再びより良いものにするために宿題を出しておきました。そんなこんなで、今日は仕事の半分が学生の相手でつぶれてしまったのですが、まじめな子にはやはりそれに応じて丁寧に相手をしてあげないといけません。研究活動が著しくそがれているとは思うのですが、相手が一所懸命だと致し方ないと思えます。

残った2人の他の学生どもは、2週間前にプレゼン用スライドの相談に乗ってやるから連絡してこいとメールをしたのですがなしのつぶてなので、今日、もう一度メールをしておきました。こちらが親切に手を差し伸べても、それを利用しないのは先方の責任なので、どういうプレゼンをするつもりか知る由もないのですが、こういうのはレポートを採点する僕の心証にも影響するわけで、連絡してこない連中は本当に損をしているなと思います。

テーマ:雑記 - ジャンル:日記

  1. 2011/01/20(木) 15:19:30|
  2. 英国
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

手持ち撮影ですか? 明暗の滑らかさ、エッジの柔らかさが、さすがな一枚ですね。

プレゼンはどうしても詰め込みたくなるんですよ。私も含め日本人のプレゼンの
ほとんどがそんな感でです。あるいははしょりすぎか。だいたいは訓練不足ですよね。

NIKON D700ですかあ、私はPENTAX k-5が気になります。k-7から揺らいでるんですが
でもまあたぶん持ち歩かなさそうなので、やはりポチりません。GRD4?もパスするかも。
なんだか、劇的に考え方が変わってきました(笑)
  1. 2011/01/21(金) 02:49:52 |
  2. URL |
  3. kk #1jhbtX.k
  4. [ 編集]

お疲れ様です

おはようございます。

学生の指導、お疲れ様です。いま教えている学生の中から将来を担う者が出て来る可能性があるわけで、責任重大ですね。

私は発生学は大嫌いなので、従って先天性疾患も理解に苦労することが多いです。

クリーブランドクリニックでレジデントだった頃に、プレゼンテーションの仕方、上手なスライドの作り方、パブリックスピーキング、はたまたファッションについての講義などがあったことを思い出します。スライドの作り方はともかくとして、パブリックスピーキングやファッションなどは、いかにもアメリカっぽいな、と思ったことを思い出します。もちろん、ためになりましたよ。 ; )
  1. 2011/01/22(土) 15:31:07 |
  2. URL |
  3. surgeon24hrs #xJW3mR9c
  4. [ 編集]

Re: タイトルなし

kkさん
はい、手持ちです。80mmと長い玉なのですが一眼と違いミラーショックが無いので、気をつけて撮れば1/8秒も結構いけます。レンズのコントラストが強くない上に軟調系のフィルムを使っているので、諧調が多い(見ように拠っては眠たい)あまり角が立っていない画像になっているのじゃないかと思います。

プレゼンもトークも、僕もあまりえらそうには云えませんが、学生さんは明らかに全く訓練が出来ていないので、彼ら/彼女らにとってはとても良い機会でしょうね。

手持ちの銀塩カメラ用のレンズを生かすにもフル・サイズのデジイチが欲しいなあと。D700だと、かなり暗くての多分撮れちゃいますよね。重いけど便利そうだなあって思います。機動力と軽快さを考えると、コンデジに軍配が上がってしまいますけどね。
  1. 2011/01/23(日) 00:22:04 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #-
  4. [ 編集]

Re: お疲れ様です

surgeon24hrsさん
う~ん、責任重大と言われてしまうと、僕程度の英語の能力を持った者が、英国の医学部の教職の末席に居ること自体が間違っている気もしますが......
学生を見ていると、日本の医学部の学生どもと共通点も多いんですね。そういう意味では、僕自身にも若き医者の卵達に思うところがあって伝えたい事も少なからず有るので、折りをみてそういう事が少しでも伝えることが出来れば等と考えています。

先生の場合は唯単に成人の方のご病気を専門にされているので、ご謙遜でそのようにおっしゃられておられるのだと思いますが、たしかにあまり多くの心臓外科医が先天性心疾患をライフワークにしようとは考えないのも事実ですよね。なんと言っても、小児病院や大学病院でしか手術しませんしね(だからあまり多くの外科医が要らない)。

うちの大学も、そういうコースは準備していますが、受講は僕たちには強制ではないですね。上手に話されている方のプレゼンを聞くと、いつも賢いなあと感心している私です。

そうそう、1週間かかって、やっとThe Black Echoを読み終えました。面白かったです!
  1. 2011/01/23(日) 00:35:04 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #-
  4. [ 編集]

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Dr Ken

Author:Dr Ken
元小児科医。ある日より、医師としてのキャリアではなく、研究者としてのキャリア・パスを志す。2007年の8月よりロンドンにある某大学医学部に講師として赴任。なかなか上達しない英語が、少し歯がゆい。万年筆と銀塩フィルムカメラが好き。縁があってやって来たこの国での貴重な体験や日々感じた事を、写真と一緒に記事にしています。

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