英国医学研究留学記

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臨機応変

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今日は曇りがちな一日でしたが、雨が降るほどでは有りませんでした。

昨日は、下の子が夜に急な発熱を呈しました。
昨今、英国では減少しているものの、豚インフルエンザの新規発症数は多く、周囲の日本人コロニーでも罹患した人の話など良く耳にします。要するに、「流行している」と言う訳です。我が子がこれに罹患したかどうかは(現在は基本的に合併症の症状が認められないインフルエンザ疑いの患者さんは、GPは受診せずに自宅静養せよとの英国政府並びにNHSの方針なので)調べようが有りませんが、もしそうだった場合は重症化を防ぐためにも、タミフルが効果的なはずです。こういう場合の鉄則は、悪い事態を想定して対処することですので、子供用にタミフルを手に入れ投与を開始する事をその場で決意しました。

英国では、まずNHSのweb siteから豚インフルエンザに関する現在のNHSの見解とサービスについて解説しているページに行き、そこから National Pandemic Flu Serviceのページへ移動し、そこにある問診に答えて行く事で、インフルエンザらしいかどうかの判定がされます。
http://www.nhs.uk/conditions/Pandemic-flu/Pages/Introduction.aspx
https://www.pandemicflu.direct.gov.uk/
インフルエンザらしいとなると、豚か季節性かを問わず、今の時点ではタミフルと引き換えるための整理番号が発行されます。問診の内容は、発疹などの明らかに別の特徴的な感染症を疑う所見が無ければ、高い熱を伴う上気道感染症はすべてインフルエンザ疑いになるのじゃないかと思うような内容でした(笑)。まあ、マス・スクリーニングと捉えれば、「偽陰性」が多いよりも「偽陽性」が多く出る方が好ましいので、仕方が無いとは思いますが、多分これだと普通の風邪の人も相当数がインフルエンザ疑いにふるい分けられてしまうと思います。さて、こうやって整理番号を入手して、タミフルを配布している指定の場所(居住地域によって決められています)にいくと、タミフルをもらえます。したがって、タミフルを入手するのには、現在のところ英国では「医療機関の受診は必要がない」のです。これが、豚インフルエンザを封じ込めるためのNHSと政府が現在行っている方針です。

仕事から帰った後の夜の11時前に受け取りに行きました。地域によるのかもしれませんが、僕の住んでいる所は夜の0時まで対応してくれます。無事にタミフルを手に入れて、飲ませ始めました。ただの風邪である可能性が十分にあるのですが、仮に本物であったとしても、まあまずはいまのところすべき事は開始したわけで、しばらくは経過の観察のみで良いでしょう。

このタミフルですが、きちんと整理番号を入手していれば(もちろん、どこに住んでいる誰に発行された整理番号なのかオンラインでつながっていて、それを証明する書類も受け取りの際には持参が必要ですが)、「無料」で配布されています。財源がどこから確保されているのかは判りませんが、この辺はすごいなと思いました。日本だと間違いなく有償ですよね。無料配布などの案が出ても、厚労省から「前例が無い」と一蹴されそうです(この「前例が無い」と言う理由でお役所から取り合ってももらえない事は、個人的な経験だと結構あります)。そういう意味では、この国の対応が、このやり方の善し悪しはさておき、臨機応変で柔軟だなあと言う感想を持ちました。

ただ、聞くところによると、嘘の申告をして「常備薬」としてタミフルを入手している人も結構いるとかで、そういうのはNHSのweb siteでは発覚した場合は制裁が有るとは書いていますが、調べようがないことなので、それがもし本当ならかなり税金が無駄に使われてしまっている事にもなります。でも、そういう輩が現れるのは容易に想像できる事ですから、そこで生じる無駄と、無料でタミフルを配布しなかった場合にかかるであろうトータルの「医療費(国費)」のどちらが高額かと言う試算がおそらく既にされていて、無料配布の方が「得」だという行政側の結論なのでしょうね。

ちなみに、プライベートの日系クリニックを受診しても、タミフルは出してくれなかったと文句を言っている日本人の方の話も聞きました。日系クリニックは、ロンドンには複数有るので、そのどこへ行っても処方箋を出さないのかどうかは、不明です。

テーマ:科学・医療・心理 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2009/09/23(水) 17:46:13|
  2. 英国
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:7
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コメント

お子様お加減いかがでしょうか。
熱が出ると辛いですものね、どうぞお大事にしてあげてくださいませね。

ところでまだ日本では罹患率の高い沖縄。
宮古ではマスクをしている人とは2,3人出会っただけですが、
宮古毎日新聞には何かの集会の写真が大きく載せられていてそこには沢山のマスクをしたご婦人が写っていましたね。
帰りの那覇空港では人でごった返しているというのもあって。
宮古以上にマスクしている人には出会いましたが、全体から見るととても少なかったように思いました。
。。。。私、滞在中手洗いはよくしていたけど、うがい忘れてました。。。
  1. 2009/09/24(木) 13:42:36 |
  2. URL |
  3. kaotti1 #Oob10Koc
  4. [ 編集]

タミフル無料配布って進んでますね。専門ではないですが、日本はクスリがらみって
とても遅れているようですね。新薬の認可など首をかしげるニュースをよく見ます。

手続き書類はネットありきなのですか。日本に比べて、ネットの普及率は高いのでしょうか?
私はプリンターも持っていないし(笑) 居酒屋はケータイで割引画面を見せると
OKな店が次第に増えています。
  1. 2009/09/24(木) 14:05:42 |
  2. URL |
  3. kk #mQop/nM.
  4. [ 編集]

こんばんは

タミフルを無料で配布しているなんて
やっぱり精神の先進国ですよね~^^
それに比べて某日本国は。。。
ポッポ首相に期待するしかないですね^^

「世界の車窓から」を思い出すような
夕暮れの線路の写真いいですね~
  1. 2009/09/24(木) 14:50:54 |
  2. URL |
  3. masa + #-
  4. [ 編集]

淡く美しい空が反射して線路が浮かび上がってるのが素敵です。^^)

今のところ私の周辺で罹ったという話は聞きませんがニュースでは大阪の40代の男性が
持病も無く健康なのに新型インフルエンザに罹って死亡したとかで、稀な例だとは思うのですが
手洗いはマメにしています。でも、一回でも忘れた時に染ったら・・・なんて考えたらキリが無いですね。

「無料」とは手厚い対応ですね。
お子さんが少しでも早く快復されることをお祈りします。
  1. 2009/09/24(木) 15:45:54 |
  2. URL |
  3. satothing #7UVZ4oV6
  4. [ 編集]

kaotti1さん
ご心配いただき、ありがとうございます。
おかげで、解熱傾向が見られるようになりました。
今日の記事にも書きましたが、新型インフルエンザではない可能性の方が高くなりました。

手洗いとうがいと、規則正しい生活(よく食べよく寝る)が、一番でしょうね。ここまで流行してしまうと、もうかかるかかからないかはロシアンルーレットみたいなモノですね。罹患したら最期と言うような死亡率ではないので、もしかかってしまったら重症化へ向かう徴候を見逃さない事が肝要かと。

kkさん
日本ももう箱ものを作るのはやめて、こういったお金の使い方をすれば良いのにと思います。薬に関しては、何となく食品と同じで、個人的には市民の健康よりも日本の「製薬会社」の方に行政の目が向いているのじゃないかと勘ぐりたくなりますね。

ネットの普及率は非常に高いです。僕の周りで自宅にBBをしいていない人は皆無です。タミフル入手の手続きは、電話でもできます。移民にはネットでの手続きの方が、やりやすいですね。

masa+さん
こういう公平さや迅速に対応する姿勢は、日本の行政には見習って欲しいなと感じています。日本は新型に対するワクチンも実費を取る方向なんですよね。もちろんこちらは無料。日本でもワクチン接種の窓口を一本化して、接種を認可された人は無料で所定の医療機関で接種する、なんて言うの、やれば出来そうですけどね(でもやらないでしょうね)。財源をどうするのだと言う議論は良く聞きますが、無駄なモノ一杯作っているやんけ!その金使えばえ~やん、ていつも思います。

satothingさん
通常の季節性インフルエンザでも、何の基礎疾患も無い人が亡くなったりする可能性はゼロでは有りませんから、遅かれ早かれそういった症例は出てくる必然であったと思います。無警戒はだめですが、必要以上に怖がる事も無いと思います。

行政が何から何までしてはくれませんから、自衛できる事はしておいた方が良いでしょうね。といっても。ワクチンも十分な量が流通している訳ではないので、いまのところ出来るのは、よく食べ、良く寝て、手洗いとうがいをする以外には難しいとは思いますが。

お見舞いのお言葉、ありがとうございます。
お陰様で、解熱傾向が見られますので、もう良くなると思います。
  1. 2009/09/24(木) 17:06:46 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #HfMzn2gY
  4. [ 編集]

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
  1. 2009/09/25(金) 14:04:47 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集]

鍵コメさん
コメント、ありがとうございました。お返事はそちらのブログにて。
  1. 2009/09/25(金) 21:45:15 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #HfMzn2gY
  4. [ 編集]

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Dr Ken

Author:Dr Ken
元小児科医。ある日より、医師としてのキャリアではなく、研究者としてのキャリア・パスを志す。2007年の8月よりロンドンにある某大学医学部に講師として赴任。なかなか上達しない英語が、少し歯がゆい。万年筆と銀塩フィルムカメラが好き。縁があってやって来たこの国での貴重な体験や日々感じた事を、写真と一緒に記事にしています。

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