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今日は朝は清々しい秋の晴れ空と言った感じでしたが、一日はやや雲が多い日だったように感じました。
週末のプレミアリーグは、ArsenalがMan cityに負け、4強のうちただ一つ負けたチームでしたので、下位に転落してしまいました。昨日は息子を連れて近所の公園にサッカーボールを蹴りに行きましたが、そこで上の娘のクラスメイトのE君(7歳、英国人)がいて、息子がサッカーシューズを履いてボールを持っていたモノだから、サッカー好きの彼の方から寄って来て、少しばかりサッカー談義を。どこのサポーターかと彼が僕に聞くので、Arsenalを応援していると言ったら、ブーイングされました(笑)。彼はChelseaのサポーターだそうです。なんか、阪神フアンに立ち居振る舞いが似ているのに共感。F1はBrawn GPのワン・ツー・フィニッシュでしたが、最後の周回で3位につけていたHamiltonはまさかのスピンによるリタイアで、勝負事は最後の最後まで判らないです。
なんと言っても今日の話題は、米国のLasker Foundation(ラスカー財団)がタイトルにも書いた本年度のAlbert Lasker Basic Medical Research Award(いわゆるラスカー賞)を、Cambridge大のJohn Gurdon先生と、京大の山中伸弥先生に授与すると言うニュースにつきます。
http://www.laskerfoundation.org/awards/2009_b_description.htmラスカーを取った人はノーベル賞をもらう確率が非常に高いので、山中先生も現実味が出て来ました。それにしても、いつかはもらうだろうなとは思っていましたが、こんなに早いとは。米国でiPS細胞の仕事がいかに注目されているか(それだけ今手を出している研究者が多いか)の現れなのかもしれません。細胞周期の仕事では、増井禎夫先生がラスカーをもらっていながらノーベル賞はもらえませんでしたから、何年先になるかはわかりませんが今度は期待しても良いかもしれませんね。
John Gurdon先生を少し紹介しておくと、博士はカエルの卵の核を取り除いたあとに体細胞の核を移植し発生させるという、クローン動物作成の基盤を確立した方で、英国では女王陛下からすでにsirの称号を与えられ、Cambridge大にはご自身のお名前を冠したGurdon Instituteという研究所まである、体細胞の再プログラミングの研究では大変に高名で高い名声を勝ち得ている方です。いままでラスカーをもらっていなかったことの方がむしろ不思議なくらい。75歳ですが未だ現役研究者でGurdon Instituteにラボを構えておられます。う~ん、学術的な話は長くなるので書きませんが、こういういかにも英国人らしい研究スタイルには憧れてしまいます。つい2ヶ月ほど前に、今の研究室で僕に順番がまわって来た論文抄読会で体細胞の再プログラミングをテーマに選び、もちろんGurdon先生の仕事も簡単にですがラボのメンバーには紹介済みでしたので(今いる研究室には、こういった発生生物学的知識を持つ人が少ないので)、実にタイムリーで、皆が「ああ、あの仕事のGurdon先生ね」とすぐにピンと来たようです。Gurdon Instituteには、生殖細胞の発生の研究で有名なAzim Surani先生もいるんですよね。すごいです。もしノーベル医学生理学賞が本当に授与されるなら、Gurdon博士が高齢ですから(死亡するともらえない)、もしかするとものすごく近い将来(まさかこの10月に.....、なんて)になるかもしれませんね。
テーマ:科学・医療・心理 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2009/09/14(月) 19:24:08|
- 研究
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| コメント:3
いつもより少し彩度やコントラストが高いように見えますが。
なんだか、おとぎ話の世界のようですね。
赤頭巾ちゃんのおばあさんの家みたい(笑)
ラスカー賞というのは初めて知りました。ノーベル賞だけでなく
いろいろな賞があって、それをめざすことで新たな進歩を達成できるのでしょうね。
イチローも凄いなあと思ってましたが、5年前、年間最多安打を達成した年に
弓子夫人から、9年連続200本安打って誰もやったことがないのよ、といわれ
「9」のフィギアのブレスレットをもらったというエピソードを聞いて、
きっと内助の功もいろいろあったんだろうなあとちょっと感動しました。
研究もそうでしょうが、どんなことでも家族の協力は大きいですよね。
- 2009/09/15(火) 14:30:36 |
- URL |
- kk #mQop/nM.
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これって御自宅ですか?
もしそうだとしたら羨ましいです。
経済や政治で日本はもう一番にはなれなさそうなので、スポーツでも文化活動でもなんでも日本人が世界を舞台に活躍しているのは本当に誇らしいことだと思います。ゆとり教育の弊害か、戦後世代の親が子供達を叱らなくなったからなのか、何でも揃った恵まれた平和な日本がそうさせたのか分かりませんが、我々も含めてグローバルな危機感が日本人、特に若い世代には足りない気がします。最近は留学とか海外旅行に興味を持たない若者が多く、理由はGoogle Earthで見たいとこ見れるからだとか・・・。情けないですよね。すみません、愚痴っぽくなっちゃいました。
- 2009/09/15(火) 16:58:01 |
- URL |
- Adelie #-
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kkさん
設定はいつもと同じです。5月頃の強い日差しの下なので、高コントラストに感じられるのかもしれませんね。これは近所の公園で、向こうに見えている家は、公園内にあるカフェです。
ラスカーは、医学/生命科学ではノーベル賞に次いで権威のある賞ですね。ノーベル賞の登竜門的存在の賞です。
内助の功は、それはあるでしょうね。山中先生、お酒が入ると、娘さんの話ばかりされます。お家での良いお父さんぶりが伺えて、お酒の席でのお話もいつも楽しいです。
Adelieさん
こんな広い庭のある一軒家に住めたら良いのですが、残念ながら、これは近所の公園で、向こうに見えている家は、公園のカフェなんです。
僕の給料では、一軒家に住むのは無理ですね。最低でもひと月1500ポンド以上の家賃を払う必要があります。企業の駐在員さんは、会社が家賃を払ってくれるので、みなさんひと月2000ポンドを超えるようなお家に住んでらっしゃいます。
最近の若者が内向き思考で冒険をしない、変化を望まないのは問題だと思います。この傾向は、医学部の学生にもここ数年顕著なんですよ、留学志望のある学生および若手医師は、ものすごく少なくなりました。若いときに自分たちとは違う文化・宗教・常識といったものを持つ世界に触れることはとても大切だと思いますし、世界と互角に渡り合うためには相手を知ることが必須なのに、これでは国力はますます落ちていくばかりですね。研究の世界でも、山中先生を始め、僕が知っている世界と互角に渡り合っている人のほとんどは、留学して海外での研究の経験があります。
冒険せず、環境の変化を恐れ、家から出ない。これだと、成功体験もないので、仕事などへのモチベーションももちろんあがらず、ひいては経済活動も停滞すると予想されているそうです。どうしてこんな国になってしまったのでしょうね......
- 2009/09/15(火) 22:12:40 |
- URL |
- Dr Ken #HfMzn2gY
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