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英国医学研究留学記

斜陽

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朝は曇ってもひとつでしたが、午後からはさわやかな青空でした。

昨日のG20に対する抗議行動では、死者も出た模様です。衝撃的な映像が配信されていますが、市内のほとんどは平穏で、特に市民生活が脅かされている訳では有りません。さすがにクーデターとかではないので当然かもしれませんが、日本からは心配されている旨のコメントなどをいただき、ありがたく思います。

本日、G20 Summitの宣言が出され、本文そのものは見ていないのですが、BBCのwebで、骨子の要約だけは見ました。昨日は、独のメルケル首相と仏のサルコジ大統領が共同記者会見を開き、米英を中心とする多額の公的資金の投入に拠る経済政策はこの辺で打ち止めで、それよりも金融への強力な規制を協力に押し進める事こそが重要だとの見解を発表しました。報道では、米英路線vs独仏路線といった対立の構図が描かれていました。今日の宣言を見るかぎりでは、結局は両者の路線が歩み寄った形で合意したように見受けられます。

寂しいのは、全く麻生首相の存在感が全く英国では感じられない事です。JapanのJも出て来ません。最後の集合写真も、ちょっとしたハプニングが有ったようですが、一昔前の先進国首脳会議ならば、真ん中近くに写っている事が多かったように記憶していますが、他国首脳と比べて上背が無いのに後ろに立っていて、どこにいるのか探すのに苦労するくらいです。

お断り
当初、以下に記載していた内容は、一晩寝て考えて、やはりちょっと聞いた話だけでの批判は無責任と考え直し、大きく改変しました。


一方のオバマ大統領は、朝の8時から首相官邸で朝食をとりながら会談後、バッキンガム宮殿へ行って女王陛下へ拝謁、などなど、超多忙なスケジュールをこなし、マスコミへの露出度もダントツです。日本にいれば日本中心、欧州にいれば欧州中心の報道になるのは当たり前ですが、やはり中国の方が露出度が高い。この差はなんでしょう?少なくとも、米と欧州を中心とした輪の中にはどう見ても入れてもらっていないとしか思えません。かといってアジアや新興国を取りまとめる輪の中にいるようにも残念ながら見えませんでした。新興国も含め20カ国も参加している訳ですから、アジアを含め新興国と話をして意見を取りまとめるとか、何かイニシアティブを発揮してほしかったと言うのが、個人的な意見です。ひょっとすると、これは事前の事務方レベルでの根回しの問題だとしたら、外交がほんとに弱いなあと思うのです。

今回のG20での日本の存在感の無さを見るに、日本はひょっとすると僕たち日本人が考えているよりも、ずっとずっとあまり重要視されていないのではないでしょうか?。だとしたら、経済大国だだの技術大国だのといった過去の栄光にすがらずに現実をきちんと直視して、国民全体で長期的視点に立った将来の進むべき方向性や未来の日本の姿と言ったものを、一人一人が真剣に考えていかないと、沈み行く運命に有るのかもしれません。今回のG20は、自分にある種の危機感を感じさせられました。

テーマ:雑記 - ジャンル:日記

  1. 2009/04/02(木) 18:45:25|
  2. 日英の相違
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

20年前の為替ディーラーだった頃から、なんだか日本の先行きはマズそうということで
ずっと日本円ベアリッシュ(弱気)でした。当時はガンガンの円高の時代だったので
トレードには苦労しましたが(苦笑) 残念ながら、現在の日本は当時、漠然と恐れていたものが
実体化してる気がします。

じゃあ、そういう日本のために自分は何をしたのか?と問われれば
何もできなかったことも事実です。選挙には必ず行きましたが、それだけでは…
そのまんま東や森田健作といった、私より少し上の世代のひとたちが
政治に直接参加するのは、似たような考えなのかもしれません。
  1. 2009/04/04(土) 00:42:06 |
  2. URL |
  3. kk #z1uogJ6Q
  4. [ 編集]

kkさん
20年も前から将来の日本に対して先行き不安なものを感じておられたとはさすがですね。僕は20年前と言うとまだ大学生で、バブルがはじける方向へ向かって一直線の時代、誰もが今までよりもワンランク上の生活を楽しんでいて、学生もやれDCブランドなど贅沢三昧で、まったくこんな事態を思いもしませんでした。

日本のために出来る事。僕は学者バカなので、選挙で投票すること以外は、科学研究で欧米と対等に話が出来るように成果を出し、見返していく事くらいしか出来ません。それぞれの日本人が狭い日本国内だけの縄張り争い・保身・利権の保持のみに終始するのではなくて、世界の中に置ける立ち位置をちょっと理解してやるだけで、だいぶんと変わるような気がします。政治家や官僚にそういった意識や感覚が欠如しているのは国家としては致命的ですよね。
  1. 2009/04/04(土) 11:17:34 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #HfMzn2gY
  4. [ 編集]

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Dr Ken

Author:Dr Ken
元小児科医。ある日より、医師としてのキャリアではなく、研究者としてのキャリア・パスを志す。2007年の8月よりロンドンにある某大学医学部に講師として赴任。なかなか上達しない英語が、少し歯がゆい。万年筆と銀塩フィルムカメラが好き。縁があってやって来たこの国での貴重な体験や日々感じた事を、写真と一緒に記事にしています。

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