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英国医学研究留学記

成熟した社会


GRD2 ISO100 f2.4 1/40s
今日は久しぶりにやや蒸し暑い日でした。
英国に来て、日本は何でも便利にしすぎてしまったのではないだろうかと考えるようになりました。
こちらは、家庭用の電話とか1990年代の日本のレベル(反論ある方もおられるかもしれませんが、あくまで僕個人の主観ですから、ご勘弁を)。
何をするにも事務手続きに時間がかかるし。
地下鉄も走っている最中に行き先が変わったり、下手をすると次の駅止まりになったから全員降りて次ぎにくる車両に乗り換えろなんて突然アナウンスされたりすることもしょっちゅう(ダイヤって、あるのかしら)。
日本でこんなことがあったら、苦情の嵐になるに違いありません。
そもそもサービス業が、サービスする気あるのか?と思う事も多いのです。
でも皆さんくどくどと文句を言いませんし、あらゆることが日本と比べるとスローなのですが、それで社会が回っています。
それにしても、弱者に対して皆さんがすごくよく気がつくこと。
電車で老人や妊婦さんなどには誰かがすぐに席を譲りますし、バギーを持っている人にはすぐに近くの人が近づいていって手を貸します。
妻が妊娠中に、電車の中で一番冷たいのは出産経験のあるはずのおばちゃんたちだとよくいってましたっけ。
英国でも知らんぷりしているひともたまに見かけますが、そういう人は多分英国外からの観光客か来て間もない移民だと思います。
信号のない横断歩道でわたろうと立ち止まると、すぐにす~っと車が止まってわたらせてくれます。
日本で、特に大阪ではまずありえませんね、これは。
今の日本は、社会的弱者を気遣い、お互いに譲り合う、こんな当たり前のことをする人が、本当に少なくなてしまったと思います。
何事にも自分が自分がと、我を通す傾向が強くないでしょうか。
ここには昔の日本には確かにあった美徳・精神が脈々と息づいています。
不便だからこそ助け合おうとするし、感謝の気持ちも生まれるのかもしれません。
ここは(日本と比較すると)何でもかんでもとても不便でスローですが、最近では、社会としてはずっとこちらの方が成熟しているのではとすら思うようになりました。

テーマ:雑記 - ジャンル:日記

  1. 2008/07/24(木) 12:05:14|
  2. 日英の相違
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:2
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コメント

こんばんは^^
コメントが常連だけになってしまい、ちょっと面白みにかけるのではないかと、
今回はHNを変えてみました・・・v-356

はじめて英国に渡った日に、ロンドンに向かう電車の中で児童が席を譲っているのを見て、ちょっと感激したことを思い出しました。見るからに品の良さそうな親御さんとお嬢ちゃんでした。弱者に対してよく気が付くというのは、騎士道精神が残っている証でしょうか。英国には階級(言葉にも)がまだ根強く残っていると聞きます。日本もそうですが、住んでいる場所によっても人々の行動は違うのでしょうね...

日本においても、ある地域では普通の事・・・例えば2重(3重?)駐車やタクシー代わりの救急車など・・・を見たり聞いたりした異国の人が”これが日本です!”と紹介し、日本をよく知らない人に勘違いされてしまったらどうしよう...と思うことがあります。

英国は言葉で階級が分かると言いますから(今は違うのでしょうか?)、それをよく聞いて行動と照らし合わせてみると、面白いデーターが取れるかもしれませんね。

ちょっと気になったのは、生活保護を受けている人達の賢さ(?)です。友人(日本人)のボーイフレンドは、フリーで仕事をしていたのですが、収入がほとんど無いことにして、生活保護を受けていました。(もうだいぶ前の話ですが)日本では考えられない3LDK、バスタブあり、床暖房ありの公団(?)をタダ同然で借り(与えられ)、1部屋を家賃を取って貸していました。なんと歩いて数分の所に実家があるにもかかわらず。これでも英国は大丈夫なの?と思っていたら案の定...
確かにハイクラスの人達を見ると成熟した社会と見れないこともないような気がしますが...

ちょっとbitterなコメントになってしまったかもしれませんね^^; 
  1. 2008/07/24(木) 16:41:28 |
  2. URL |
  3. with coffee #yw4sqTbg
  4. [ 編集]

階級社会

with coffeeさん、こんばんわ。
英国はがちがちの階級社会で、こいつはどんなに努力をしてもどうにもなりませんが、一般庶民は努力すれば中産階級の上にはたどり着けます。研究者はもちろん中産階級です。
英国でのホームレスは、おっしゃる通りほとんどが路上にいずに家の中に住んでいます。そういったしたたかな人ももちろんいると聞きますが、日本も変わらないですよ。わざと籍を入れずに奥さんを低所得者にして生活保護。勿論病院もほとんど只ですが、生活保護なのにロレックスを腕にはめてベンツで子供を病院に連れてくる様な人を沢山外来で見てきました。おっしゃる様なちょっと図々しいしたたかな人はどこにでもいます。ただし、そういった人たちは、その性根も災いしてその環境からは一生抜けられないと思いますので、逆に可哀想かもしれませんよ。一般論として、こちらは皆さんとても親切でアグレッシブな人をあまりみかけません。
ただし、日本人が多く住む地域は治安上の関係で、国策で労働党が充実させたそのような低所得者層が入れる住宅地から遠く離れた居住区になりますので、with coffeeさんのおっしゃる通り、渡英して日の浅い僕は、あまり英国の裏側を知らなさすぎるのかもしれません。そんな英国が何とかなっているのは、財源(寄付や税金、消費税17.5%!)が確保されているんだと思っています。そういった事は、少しずつレポートしていこうと思います。
  1. 2008/07/24(木) 17:09:43 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #HfMzn2gY
  4. [ 編集]

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  1. 2008/07/30(水) 17:11:50 |
  2. 英国医学研究留学記

プロフィール

Dr Ken

Author:Dr Ken
元小児科医。ある日より、医師としてのキャリアではなく、研究者としてのキャリア・パスを志す。2007年の8月よりロンドンにある某大学医学部に講師として赴任。なかなか上達しない英語が、少し歯がゆい。万年筆と銀塩フィルムカメラが好き。縁があってやって来たこの国での貴重な体験や日々感じた事を、写真と一緒に記事にしています。

当ブログの写真および記事とは直接関係がないと判断したコメントやトラックバックは、申し訳ありませんが削除させていただきます。ご了承ください。

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