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英国医学研究留学記

英国中学入試でどのような勉強が必要か(各論)

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Canon EOS M (AE mode)/ Zeiss Makro-Planar T* 100mm f/2 (Nikon F mount)/ KIPON マウント変換アダプター NIKON Fレンズ-EOS Mボディ/ f2.0 60s

最後に、今度は各論について書いて行きます。
何度も書きましたが、あくまで個人的な経験を基に書いていますので、全てが正しいかと云うと自信が有りません。そうだと割り切って、あくまで参考として読んでいただけると嬉しいです。

各論の前に、11+の入試の準備をするのにこれは外せないと云うスタンダードな問題集が有ります。
それが、Bond Assessment Paperと云われる一連の問題集です。
http://www.bond11plus.co.uk/
まずは受験する学校の試験項目をチェックします。学校に拠っては知能テストであるVerbalやNon-verbal reasoningが課されないところも有りますので、何について準備しておかねばならないかの知識は必要です。入試のある学校では、算数と英語の試験は大抵の学校は課すと思います。受験に必要な科目のBond Paperをこなすのが一番取っ付きやすいと思います。
難易度に合わせ、9-10 yearsなどと対象年齢が書いてありますが、合否に関わるラインにいる学力のお子さんはそれなりに皆さん準備されて来られるので、試験までには11歳よりもちょっと上の11-12+用の問題集は少なくともこなして、それなりの正解率になるように反復させておけば、かなり安心ではないかなと思います。13歳の子供を入学させるボーディング・スクールの入試は13+と呼ばれていて、それ用の12-13+のレベルまでこなすと完璧かもしれませんが、我が家はそこまでやる時間も有りませんでしたし、11-12+がちゃんとこなせれば大丈夫な気がします(保証はしませんが)。

日本人からすると取っ付きにくいNon-verbal reasoningとVerbal reasoningについては、受験する学校が「どういう試験を採用するか」を知っておくのも大切です。受験はある意味情報戦でもあり、情報を持っている家庭のご子息の方が、そうでないご家庭よりも断然有利なのではないかなと実感しました。これらの知能テストは、大別すると流儀が二つに分かれます。一般的なのはGL-assessment。もともと NFER (National Foundation for Educational Research)と呼ばれていた方式の後継の流儀で、広く現在でも用いられています。受験する学校がこれを採用している場合は、この方式の問題集がたくさん出ていますので、それをこなしてそれに慣れることが大切と思います。こなせばこなすだけ、点が取れるような印象を持っています。一方、最近増えて来た流儀が、CEM( the Centre for Evaluation and Monitoring)で、Durham大学の教育学部が提唱する方式をベースに作成されています。GLと比べて問題集は多くないようですが、問題集は売っていますので、目指す学校がどちらの方式の試験を採用しているかに合わせて、訓練すべきと思います。ちなみにBond PaperのVerbalおよびNon-verbalはGLやCEMに特化した構成にはなっていませんので、どちらかと云うと両方にも対応出来る練習と云えるかもしれません。が、やはりそれだけではなくて、GL用、CEM用の練習はしといた方が無難と云うのが僕の意見です。

算数に関しては前の記事にも書きましたが、日本の中学入試のような特殊な問題を解くことを要求されるようなモノではないと思います。(最低限Bond Paperがちゃんとこなせる程度の)問題に書いてある英語が正確に理解出来る英語力が有れば、日本の塾に於ける算数(しかも灘、筑駒や開成と云った難関校の問題をこなすレベルではなくて、標準的レベル)をきちんとミス無くこなせる能力のお子さんは、かなりの高得点を期待出来る、そんな印象です。日本式の算数を日本語だとちゃんとこなせるのに英語で書かれた算数の問題集の得点が伸びないとすると、それは数学的能力ではなくて英語の理解力の問題と思うべきと思います。そう言う意味では、母国語が英語ではない日本人にとっては「英語力」が勝敗を分けると言っても良いかもしれません。

英語に関しては、一番の難関はessay writingとcomprehension (長文読解)でしょう。我が家の場合、esasay writingに関しては僕の手に余るので、家庭教師の先生を見つけてお任せしました。とにかく、短い時間(30分くらい)で筋の通った構成された(望むべくは独創的な)文章をある程度の量で書けることが要求されます。長文読解は、文章は児童文学(不思議の国のアリス等)レベルのものですが、読まされる量に関しては日本の大学入試並の量の文章を読まされて、それに関する設問に回答する必要が有ります。これも、ご両親の手に余るようならば家庭教師を付けた方が良いかも知れません。個人的には、やったらやりっ放しではなくて、復習がもっと大切です。Bond Paperを繰り返しこなすべきと思います。所謂クラッシックの文章が出てくるケースも多いので「The Wind in the Willows」「Alice in Wonderland」「Railway Children」「Secret Garden」等のクラッシックを読ませておくことも助けになると思います(見たことがある文章が試験に出てくるだけでも、試験会場でリラックス出来る可能性がありますから)。文法は、時制の一致等、子供が良く間違え易いのは割と決まっている見たいに見えますが、日本の中学の英語の文法の問題集は役立ちそうな印象です。

英国の中学試験に関する一般的な情報は、それを発信しているサイトが有ります。
http://www.elevenplusexams.co.uk/
今まで書いて来たような話は、このサイトの中を見て行けば、おそらくどこかに似たようなことが書いてあると思います。英国で中学受験を考えておられる方は、参考になるのではないかなと思います。また、受験した/されるお子さんを抱えたご両親が情報を交換するフォーラムもサイト内に有りますので、情報の真偽を自分で消化する必要は有りますが、参考になるかもしれません。

ものすごく限られた方にしか興味の無い内容だったと思いますが、おつきあいくださり有り難うございました。

テーマ:中学受験 - ジャンル:学校・教育

  1. 2014/07/23(水) 13:07:51|
  2. 英国
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Dr Ken

Author:Dr Ken
元小児科医。ある日より、医師としてのキャリアではなく、研究者としてのキャリア・パスを志す。2007年の8月よりロンドンにある某大学医学部に講師として赴任。なかなか上達しない英語が、少し歯がゆい。万年筆と銀塩フィルムカメラが好き。縁があってやって来たこの国での貴重な体験や日々感じた事を、写真と一緒に記事にしています。

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