英国医学研究留学記

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英国の教育制度について

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GRD2 ISO80 f6.3 1/500s, Wimbledon, London
Wimbledonも終盤に来ました。錦織選手、残念でしたね。NadalもSharapovaも負けてしまうと云う波乱も有りました。サッカーのワールドカップも同時に佳境に入りつつ有ります。勝ち残ったチームはどこもタフで、簡単に勝てる試合等一つもないですね。

英国(特のロンドン界隈)の公立進学校へ受験する際の情報を欲しいと思っておられる方も居られると思うので、備忘録の代わりに自分の息抜きもかねて、我が家が経験したお受験について、(多分更新は不定期になりますが)何回かに分けて書こうと思います。

まずは、今回は、英国の教育の仕組みに付いての一般論です。ここでは、Eton校等に代表されるPublic School等の例外的なコースではなく、至極一般的なコースについて論じておきます。

まずはprimary school(日本の小学校に相当)ですが、義務教育としては5歳からYear 1がスタートします。ただし、今はどこの公立primary schoolもpre-schoolのクラスとして4歳からのinfant classを設けていて、人気のある公立校に入学したいと思った場合は、infant classから入っておかないとYear 1からの編入はとても難しい状況です。5歳から11歳がprimary school(Year 1~Year 6)で、11才から16才までがsecondary school(Year 7~Year 11。中高一貫)となっており、義務教育は16歳までです。primary schoolではSATs (Standard Assessment Tests) testと呼ばれる全国統一学力試験(7歳でKey stage 1、11歳でkey stage 2と云われる試験です)が行われ、key stage 2である一定の成績を収めた時点で初等教育が終了と見なされてprimary schoolの卒業資格となります。
中等教育であるsecondary schoolでも14歳(key stage 3)と16歳(key stage 4)で全国統一試験が有り、16歳で受ける試験がいわゆるGCSE(General Certificate of Secondary Education)と云われ、これである一定の成績を収めれば中等教育が終了と見なされ、secondary schoolの卒業資格となります。
此処までが義務教育で、その後、大学進学を目指す者はsecondary schoolに併設される6th formと呼ばれる大学進学準備コースかcollegeに進学して、自分が目指す大学の専門教育に必要な科目を選択し勉強します。これはちょうど日本の大学の教養課程に相当します。此処で勉強して準備をした上で、Aレベル試験(General Certificate of Education, Advanced Level)を受け、その成績と面接等の選抜過程を得て、晴れて大学から席をオファーされれば大学進学となります。大学は、日本と違って全て専門課程で、通常は3年、医学部では5年です。大学に進学しない人たちは、16歳でsecondary schoolを卒業後は、仕事に就くか、職業訓練校に通います。ちなみに、公立のprimary school、secondary school、6th formと職業訓練校は、授業料は無料です。

さて、公立のsecondary schoolですが、まずは大きくエイヤッと分けて2種類有ります。一つは全生徒が全て試験で選抜されたいわゆるgrammer schoolと云われる超進学校です。学年の大半がOxbridgeやImperial College、UCLといった一流大学に進学します。二つ目はcomprehensive schoolで、これが一般的です。基本は、comprehensive schoolの場合は、学校からどれくらい離れた所に住んでいるかによって、入学の可否が決定されます。人気校の場合は、願書が集中した場合には、学校から半径500m程度の中に住んでいないととても入れない学校も有ります(どうしてそうなるかは、後述)。旧grammer schoolだったcomprehensive schoolが学年の一部を試験で選抜するところもあります。僕の娘が進学した学校はこの手の学校で、学年全体の成績で見るとgrammer schoolに少し見劣りしますが、選抜された生徒の進学先だけに搾ってみると、先の超進学校であるgrammer schoolとほとんど成績は変わりません。また、comprehensive schoolの中には、最近はacademy schoolと呼ばれる学校もあります。academyは、営利団体の資本を受け入れて、運営もその営利団体の意見を反映させた学校作りをしているのが特徴で、それぞれの学校が教育上の特色を出して進学成績を飛躍的に伸ばして来ている学校もちらほら散見します。これに加え、英国国教会、カトリック教会、ユダヤ人のための公立校等、宗教色の強い母体が運営する公立校もあり、日本人には少し理解し難い状況を作り上げています。そういった宗教が絡んだ学校には、他宗教の信者は入学が(特にカトリックとユダヤ教は)まず無理です。英国国教会系はその辺の縛りがやや緩く、日本人でも入れるところが多いですが、日常的に教会に通っている家庭(教会から教会に通っているとの証明書が発行されます)かprimary schoolが英国国教会系の場合は入学が優先されます。

英国の教育システムは、お叱りを覚悟でエイヤッと云ってしまうと、「敗者復活が非常に難しい」仕組みになっています。日本のように、高校受験で失敗して超進学校へは行けなかったけれども、一念発起して高校時代に頑張って勉強して大学で旧帝大系に、と云うようなコースはなかなか難しいのです。というのも、まずはprimary schoolからの成績が大学を卒業して就職するまでずっと付いて回ります。各Key stageで受けた全国統一試験の成績がずっと参照されるのです。それに加えて、secondary schoolで(超ではなくても)進学校に入れなかった場合は、例外は有るにせよ大抵の場合は大学進学は諦めなければ行けません(周囲の学生のモティベーションに本人が流されるだけではなく、学校自体にも大学進学に関するノウハウが無かったりするので、非常に困難です)。そう言う意味に於いては、英国では高等教育(大学)への進学を希望する家庭の場合は、どこのsecondary schoolへ入学するかは死活問題です。日本と違って10〜11歳で、先々の進路の大きく影響をする、ある意味選抜/洗礼を受けねばならないとは、親の気持ちとしてはいささか残酷かなと思わざるを得ません。

親に財力が有る場合は、公立進学校がダメだった場合には、私学へ通わせる手が有りますが、中産階級に取っては、私学は授業料が(ピンキリですが)高く付くため、私財を投げ打つことにもなりかねません。ちなみに、Eton校の年間授業料は、約35000ポンド(1ポンド=170円の計算で600万円です)です。Westminster、St Paul、City of London、North London Collegiate等の有名私学超進学校はもちろん学力選抜が有ります。入学に際して厳しい学力選抜の無い私学でも、公立と比べて授業料が高いだけ有って、学校が提供する教育の質は高いと聞きます。

テーマ:中学受験 - ジャンル:学校・教育

  1. 2014/07/02(水) 18:06:18|
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Dr Ken

Author:Dr Ken
元小児科医。ある日より、医師としてのキャリアではなく、研究者としてのキャリア・パスを志す。2007年の8月よりロンドンにある某大学医学部に講師として赴任。なかなか上達しない英語が、少し歯がゆい。万年筆と銀塩フィルムカメラが好き。縁があってやって来たこの国での貴重な体験や日々感じた事を、写真と一緒に記事にしています。

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