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英国医学研究留学記

Personal Development

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Rolleiflex 3.5F Schneider Kreuznach Xenotar 75mm f3.5 / Kodak BW400 /St. Stephen's Cathedral, Vienna, Austria
今日はにわか雨が降ったり、晴れ間が時々覗いたりと、不安定な天気でした。気温も15℃と、暖かくもないのですが寒すぎもしないと云った感じです。

今日は大学のCancer Instituteで行われたBioinformaticsの一日コースに参加してきました。これは、昨今の研究に於いて不可欠なスキルで、データベース化しているゲノム情報(いろんな目的のいろいろなデータベースが有り、日進月歩で変化してきています)を、コンピュータで如何に上手に取り扱うかに関して、コンピュータ・ベースでこういったデータを取り扱う事を武器に研究をしている専門家(Bioinformatitianと云います)が、実験ベースで研究している我々一般の生物学者にレクチャーをしてくれると云う、そういうコースです。今日のはどちらかと云うと初心者向けのコースで、既に日常的に僕なんかも良く利用しているデータベースの取り扱い方も含まれていましたが、使いたいけど取り扱いがよくわからなかったモノもいくつか紹介してくれて、practiceとして与えられた課題をこなす形で実際に使ってみる事も実践させてくれたので、まあまあ満足できる内容でした。今後、もう少し分野をしぼった、それでいてちょっと一般の生物学者達には敷居の高い手法のコース(例えば統計学的な解析など)も用意されているので、その都度聴講したいと考えています。

こちらの大学では、大学の教員は、研究要員か教育要員かに関わらず、毎年「如何に自分自身のスキル・アップ/自己啓発」をしてきたかが大学側より問われます。これには、学会に参加したり、大学側が用意するこういったコースを履修したかどうかが凄く大事で、毎年のように業績とともに一年間何をして次の一年には何をする予定か書類を作って大学に提出する必要があります。提出する書類は、大学側が個人のパフォーマンスを評価(appraisal)するのに利用されると云う訳です。日本で助教をしていた時に、大学側から教員の評価を毎年された覚えも有りませんし、このような事が「クビになるかならないか」の評価に使われるなんてプレッシャーを感じた事なんて一度たりとも有りませんでしたから、こういってしまうと怒る人たちはたくさんいるかもしれませんが、日本の大学のポジションははきり云ってぬるま湯やなぁという気持ちにさせられてしまいます。日本の国立大も、「講義等を含めた教育活動上のパフォーマンス」「研究上のパフォーマンス」そして「自己啓発」も査定するようになれば、高等教育の質も上がるかもしれません(形骸化してしまうと、変わんないとも云えますが)。

北杜夫氏がお亡くなりになったニュースにも少し触れておきたいと思います。氏の著書は、ドクトル・マンボウよりも、医学部に入ってすぐに人に勧められて読んだ「楡家の人々」が一番印象的でした。登場人物が、お父さんであり歌人で精神科医の「斎藤茂吉氏」、お兄さんであり精神医学会で重鎮であった「斎藤茂太氏」や、80歳で南極にまで行ってしまった大変なお母さん(徹子の部屋にも出ていましたよね)である「齋藤輝子氏」など、一対一対応で来てしまう所も面白く興味深く読みました。躁鬱病である事を公表されていて、躁と鬱、それぞれの時に徹子の部屋に出ていた記憶が有ります。ご冥福をお祈りしたいと思います。
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テーマ:雑記 - ジャンル:日記

  1. 2011/10/26(水) 16:46:00|
  2. 英国
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プロフィール

Dr Ken

Author:Dr Ken
元小児科医。ある日より、医師としてのキャリアではなく、研究者としてのキャリア・パスを志す。2007年の8月よりロンドンにある某大学医学部に講師として赴任。なかなか上達しない英語が、少し歯がゆい。万年筆と銀塩フィルムカメラが好き。縁があってやって来たこの国での貴重な体験や日々感じた事を、写真と一緒に記事にしています。

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