従来は、個人個人の持つIQは生涯を通じ比較的安定した数値を示し、どこかの一点で測定されたIQは、その後の学習の達成度やどのような職種に就けるかの予測に使われていました。ところが、ロンドン大UCLの研究チームが中心となって行われたこの研究に因ると、IQそのものは、言語性/非言語性(verbal or non-verbal)を問わず、かなり揺らぐことが分かり、特に10台に於いて、とてものびる子も居れば、逆に落ちて行ってしまう子も居る事が判明したとの事。このIQの上下には、脳の構造的変化と非常に密接な関係があり、若年時に於けるある一定の水準以上のIQをもつ人物のIQ値の高低は、あまり将来の知的活動のパフォーマンスを反映しない可能性があると論文中で議論されています。
Author:Dr Ken
元小児科医。ある日より、医師としてのキャリアではなく、研究者としてのキャリア・パスを志す。2007年の8月よりロンドンにある某大学医学部に講師として赴任。なかなか上達しない英語が、少し歯がゆい。万年筆と銀塩フィルムカメラが好き。縁があってやって来たこの国での貴重な体験や日々感じた事を、写真と一緒に記事にしています。