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英国医学研究留学記

英国でも、皆が何か出来ないかと模索しています。

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ようやく、朝日新聞の記事で、現在のほぼマ日本のスコミ全体が一貫して報道している原発に関する「楽観的」観測に関してやや批判的な内容を含む記事が出ました。
西日本へ「疎開」を 〈伝えたい―阪神から〉
この記事に書かれている通り、「危機を過大評価するのが基本」、本当にその通りです。
この記事の意見は大学の先生の意見であって、朝日新聞の記者の意見でも社説でもないのが残念です。朝日新聞の社説は情報開示をなどと云っていますが、独自の路線の取材能力は無いのかと云いたい。そもそも、福島第1に少なくとも116基(3月17日訂正)の原子炉がある事を、僕は海外のメディアから知りました。この116基(3月17日訂正)全部が何らかの問題を持っていると考えて間違いないでしょう。
この記事に有るように、西日本は人材を提供し、かつ疎開してくる人を積極的に支援して受け入れないと行けないでしょう。

報道のあり方に付いてもう一つ。ニュージーランドの地震の際にはたまたま日本に滞在していましたが、日本の報道はgeneralな地震の話以外には、現地に滞在していた日本人の方々に関することにほぼ限定していました。現地の被害の規模がどうでニュージーランド人の方のどれくらいが被災され被害に遭われたのかなど、見えてきませんでした。英国の報道を見ると、おそらく災害に巻き込まれた英国人は必ずいると思いますが、そういう在日英国人の方のみに限定した取材と報道は全く目にしません。報道の根本的な思想の違いがあるように感じました。

BBCの報道によると、英国のチャリティ団体のいくつか(Save the Children UK、British Red Cross、World Vision UKなど)は日本からの要請が有ればすぐに動ける準備が有るとの事ですが、残念ながらまだ日本からの要請が無いとの事。なんで頼れるモノに素直に頼らないかなあ...と思います。そう思うは浅はかでしょうか。
How UK charities are helping quake-hit Japan
一方では、the Disasters Emergency Committee (DEC)(英国の13の人道支援団体を束ねる団体。ハイチの地震などでも真っ先に義援金や援助物資の手配を整えた)では、日本は裕福な国なので、人道支援をしても無駄になる(例えば食べ物なども食べてもらえずに捨てられてしまう)のならば意味が無いと、全く動く気配が無いそうです。個人的には、これはDECに「現場で起こっている事」が正しく伝わっていないからかもしれないと思っています。もしそうならば、現場の窮状を「リアルにきちんと伝えていない」日本のマスコミの責任は重大です。その情報があって初めて、何が必要か、如何に危機的な状況で我々がどのくらい急いで何を出さないと行けないのかが判断できるのじゃないでしょうか。海外のメディアと同じように、ただ単に津波の映像を繰り返して流しているだけでは全く「人ごと」と考えている証拠に見えます。
DECはこのような態度ですが、赤十字やSave The Childrenなどは、食料や衣類、毛布以外にも、例えば被災地に子供のplay spaceを作って被災した子供のメンタルのケアに少しでも役立つモノを提供するなど、人道的立場からやる事はいくらでもあるとの立場のようす。

ロンドンでは、多くの日本人たちが何か出来ないかと皆が模索中です。ロンドンの町中でたった一人で募金活動を始めたご夫人がいると聞きました。われわれ日本人研究者達も何か出来ないモノかと、皆が動いていますし、日本人留学生達は既に先日から募金活動を始めました。子供の通う現地校では、日本人のご父兄が学校で募金をはじめ、校長先生(英国人)の発案で、今週と来週にかけて、生徒達に日本にいる同世代の子供たちに向けてメッセージを届けようと云う企画を始めたようです。僕が知っている日本人の子供が通っているすべての現地校で、似たような動きが広まっていて既に活動を始めていますし、もちろん日本人学校補習校(全日制の方はつながりが無いので分かりませんが、おそらく似た動きがあるでしょう)でも既に動き始めています。町中でも大学でも、日本人ではない人たちが日本人と知ると皆が声をかけてくれ、彼ら/彼女らのsympathyをストレートに伝えてくれます。一方で、日本で募金と偽った詐欺行為が有るらしい報道には、やりきれない思いがします。そこまで性根が腐った日本人がいたのかと思うと、悲しくなります。

ロンドン在住である音楽家の葉加瀬太郎氏と高田万由子氏夫妻は、連日、義援金を集めるチャリティー・コンサートを開かれています。
以下、ご本人とは直接の知り合いではない上に掲載の許可を得た訳ではないのですが、情報の拡散はおそらくご本人は歓迎されることと(勝手に)思いますので、英国在住の日本人の間で回っている氏からのメールをそのまま以下に掲載しておきます。

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葉加瀬太郎を応援してくださっている皆様

昨日の三越コンサートに続き、本日、ST Pancras Internationalでのバスキングも大成功をおさめました。
募金をしながら声をかけてくれるロンドンの人々。
募金箱を持ってくれていたあるボランティアは、励ましの言葉に涙が止まりませんでした。
駅構内の職員も誰もが協力的で一緒にがんばってくれました。
手伝ってくれている学生ボランティアたちにも、ただただ感謝するばかりです。
今日参加してくださった方、本当にありがとうございました。

19日、土曜日に帰国予定です。
ロンドンにいる間に出来る限りの事をしたいと思っております。
被災地で、水や食料が必要なのはよくわかっています。でも僕に出来る事、それは、みんなの気持ちを一つにして日本に届ける事。
そう思って毎日、バイオリンを弾き続けています。
募金活動にご協力お願い いたします。
昨日のコンサート、FNN( フジテレビ系),NNN(日テレ系)、BBC-londonのウェブサイトでアップされています。

以下、明日以降の活動をお伝えいたします。
イベントページでも情報が見られます。http://japanearthquakereliefconcert.doattend.com/ (明日までに更新されます)

16日(水曜日)
時間:5:00~6:00pm
場所: Our lady of Victories Church,Kensington
   235a Kensington High Street
www.ourladyofvictories.org.uk


17日(木曜日)
時間:5:00 pm~
場所: Fortnum & Mason / 181 Piccadilly, London W1A 1ER, United Kingdom

18日(金曜日)
Don't Give Up! A Charity Concert for Japan
with Taro Hakase and Friends

時間:6:45pm~8:00pm
場所: Cadogan hall
&n! bsp; Sloane Terrace, London SW

チケット: 1 pound ,plus a donation at the door to the British Red Cross.
    Book online : www.cadoganhall.com
    Box office : 020 7730 4500
入場料、および義援金は全額、英国赤十字社を通じ日本赤十字社に送ります。

情報を拡散していただけましたら嬉しく思っております。
よろしくお願いいたします。
がんばれ、日本人!がんばれ、日本人!Play for Japan.
                                     葉加瀬太郎
                                     高田万由子
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注;
1. 葉加瀬太郎様、事後承諾で申し訳ありませんが、ブログに掲載いたしました。もし問題があればすぐに削除いたしますので、その際はご連絡下さい。
2. ここで云う三越は、ピカデリー・サーカスにある三越ロンドン店の事です。

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テーマ:雑記 - ジャンル:日記

  1. 2011/03/16(水) 17:35:12|
  2. 英国
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  4. | コメント:4

プロフィール

Dr Ken

Author:Dr Ken
元小児科医。ある日より、医師としてのキャリアではなく、研究者としてのキャリア・パスを志す。2007年の8月よりロンドンにある某大学医学部に講師として赴任。なかなか上達しない英語が、少し歯がゆい。万年筆と銀塩フィルムカメラが好き。縁があってやって来たこの国での貴重な体験や日々感じた事を、写真と一緒に記事にしています。

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