Leica M3 Summarit 50mm f1.5 Fuji RA
午後から日が射していますが、今日も肌寒い一日。
ひな祭りですが、日本を出るときにひな人形は日本へ置いてきてしまったので、娘には日本にいると普通に体験できる行事を体験させてあげられないのが残念です。毎年、それでも妻が工夫をして、色紙で手作りのおひな様を作ったりしています。
写真とタイトルが全く一致していません(笑)。しかもロンドンじゃなくて、渡英前の大阪で撮った写真です。荷物を整理していたら未現像のポジ・フィルム(3年間寝ていました)が出てきたので、現像しました。意外とつまらないものばかり撮っていて、ポジを見てがっかり(笑)。
この写真を撮ったLeica M3は、日本にまだいる時分に偶然にも父の友人からレンズ付きでただで譲り受けました。ご尊父の形見だと聞きましたが、使い方もわからないので大切に使ってもらえそうな人がいないかと父に話が来て、カメラが好きな僕に話が回ってきたのでした。頂いたときにはカビも生えていて動作も怪しかったのですが、東京のライカ修理では有名な某名人に依頼して完全に動作するように整備してもらい、気持ちよく使えるようになりました。M3は何と言ってもカメラ史に燦然と輝く20世紀を代表する工業プロダクトですから、現行のカメラの方が性能が良いに決まっていますが、いじっていて楽しいカメラです。こういうあらゆる部品が「アナログ」なものは、機械式時計も含めて50年以上たっているにも関わらず修理すれば使えます。自分の祖父や曾祖父の時代のものが今でも使える事は、素敵なことと思います。
レンズは、クセ玉として有名なSummarit 50mm f1.5です。今から50年以上前の販売当時は最高性能のレンズであったのでしょうが、使ってみると結構気難しく、条件次第ではハレっぽく時には盛大にゴーストが出ます。でも、しぼるときりっとした画像になります。現代の高解像度で高コントラストなレンズに比べると線の細い柔らかい描写になり、結構気に入っています。ただ、手元にあるレンズは少し痛んでいるのか?カラーでの発色は何となく暖色系に偏る傾向がある気がしています。印象としてはモノクロによく合うレンズと思います。ただし、それほど偉そうに語れるほど使い倒している訳でもありませんし、僕が手にしているレンズに限った話でズマリット全般に一般化できる話ではないかも知れません。英国に来てフィルムで写真を撮るのが高コストで棚の飾りに成り果てていたM3ですが、スキャナーを手に入れた今、譲ってくれた方の厚意に報いる意味でも、ぼちぼち使ってあげたいなと思っています。
京大の入試での不正事件に関して。つまらないことでこの浪人生は人生の大切な時期を棒に振ったなという気がします。僕も受験生のときには出身大学で人生が決まると思っていましたし、医者の世界も旧帝大とそうじゃない場合とでは人生が大きく違うと思い込んでいましたが、実際に社会に出てみると旧帝大を出ているから安泰な人生が待っているかというと全然そんな事はありませんでした。世の中は甘くないです。今の若い人に云いたいのは、日本の大学のブランド名なんて、米国や英国では何の評価にもならない狭い日本の中だけで通用しているつまらないことですから、むしろ「将来何がしたいのか」「そのために何を身につけ学んだのか」を大切にしてほしいなと思います。僕が住む研究の世界では、「何をしてきて」「今何をしていて」「今後何をするのか」が全てです。
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テーマ:雑記 - ジャンル:日記
2011/03/03(木) 16:38:40 |
Leica
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