英国医学研究留学記

不覚

R0015866.jpg
GRD2 ISO80 f2.4 1/80s
先週は少し暖かい日が有って喜んだのもつかの間、日曜日からまた冷え込みだして、今日は小雪がちらつく寒い一日でした。
週間天気予報では、今週はあまり暖かい気候を望めそうも有りません。

自宅のブロード・バンドが突如インターネットに繋がらなくなると言うトラブルに見舞われ、自宅からのアップが出来ませんでした。BTのサービスは、英国人にすら評判が悪いのですが、どうしてこんなダメダメサービスのままで通信事業の市場で競争力が保てるのか、全く不思議です。
今日は、仕事の最後に、研究室からアップします。

連絡を全くよこさなかった医学部の2年生の学生さんは、4回目のメールにようやくレスをくれました。忙しかったなどなど、いろいろとexcuseが書いてありましたが、直接会ったときに、それでは社会では信用されないよと言うような話をしておこうかとは思っています。お互いの予定が合わずに、来週の約束になりました。

今日は、朝一番に、今日中に提出して欲しい書類が有るから、そろえて出して欲しいと大学側から連絡が。
大慌てでその書類作成に取りかかることになり、しかも日本語の書類と違って僕たちが英語の書面を作成するにはnative speaker達の何倍もの時間がかかりますから、今日の実験の予定は大幅に狂ってしまいました。
僕の方にもどうやら落ち度があって、(お世話になっている教授も僕も)僕には関係のない手続き/書類だと思い込んでいたのですが、メールを見てから担当の大学の事務に電話をして話を聞くと、実はそうではなかった様です。

今迄は、こういった類いの手続きは意外と事務が親切で、いつもは締め切りの一週間前くらいに警告のメールをくれる事が多かったのですが、今回はそれも無かったので、すっかり油断していたとも言えるかもしれません。
回覧されて来るmailの数は一日で数十通、日によっては20を越えたりしますので、一応目は通しますが(日本語と違い英語であるので)うっかりと自分とは無関係との判断をしてしまったものが、今迄いくつも有ったのかもしれないなあと思いました。

一昔前ならば、印刷した書面で送られて来たものがe-mailで回覧される様になって、回覧の作成が簡単になりコストもあまりかからなくなっているので、スタッフ向けの「回覧」は、どこへ行ってもひょっとして一昔前よりもずっと増えているのではないかなと言う気がします。だとしたら、こういったITによるインフラも善し悪しかな、と思いました。不便ならば「絶対に必要な情報」だけが流れて来るでしょう。一方、簡単でコストもかからないとなると、送られてくる情報の重要度は様々でしょうから、いっそう受け取り側がその重要度を見極めないといけない度合いが増しているのじゃないか、そんな気がしました。つまり、研究者や教員を支えるはずの事務方が情報の選択や処理をさぼってただ垂れ流すだけで良くなって、現場の研究者や教員への負担が増してしまっているのではないかと危惧した次第です。本当の所は判りませんけれども。

週末のニュースは、英国の国会議員の無駄遣いの話と、サッカーのイングランド・チームのキャプテンであるJohn Terryの不倫騒動の話が目につきました。

テーマ:雑記 - ジャンル:日記

  1. 2010/02/08(月) 18:34:03|
  2. 英国
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5

意外な展開

R0012041.jpg
GRD2 ISO400 f2.4 1/4s
今日は良い感じの天気でした。
朝出勤時はどんより曇っていましたが、午後からはすばらしい快晴で、しかも最高気温は10℃近く有って、着実に春に向かっているのを実感させてもらえる日でした。
これからこういう日が次第に増えて来るでしょう。
こうなると、気分もわくわくして来ます。

今日は、医学部2年生の実習(というより自習)の進捗状況をチェックするために、またオフィスに来てもらいました。2月の終わりから3月にかけて、彼らは自ら決めたテーマ(病気)に対して最新の論文を読み、学んだことを皆の前で15分間のプレゼンテーションを行うことになっています。昨年の秋に直接会って話をして、各人の興味とうまくマッチするテーマ・病気を決め、まずは基礎的な事を勉強してもらい、年末にどれくらい勉強したのかを直接会ってチェックしていました。そのときに、次に会うときには、プレゼンテーション用のスライドのたたき台を作ってみせて欲しいと課題を与えてありました。3人の学生が僕に割り当てられていますが、月曜日に一人(一番まじめな子)に来てもらって、ディスカッションをしていました。やはり学生の作るスライドで、冗長だったり足りなかったり、インパクトに欠けたリだったので、アドバイスをして作り直したものを次はメールで送ってもらってそれを僕が修正し、2月末にプレゼンの練習をしようと言って返しました。今日は、あの昨年末からぼくがここに愚痴を書いていたちゃらんぽらん学生でした。ところがどうして、時間通りに来るは、ちゃんと勉強していて、すこし専門的な知識を質問してもちゃんと知っていて、今日はものすごく驚かされました、作って来たスライドも、僕が予想していたよりもずっと出来が良かったのです。年末に説教したの、彼に取っては良かったのかもしれません。赤丸急上昇でした。もう一人残っている子はまじめそうに見えていたのですが、この1ヶ月メールを送り続けていますが何もレスが無くて、これも少々驚いています。人は見かけに拠りませんね〜。今日、改めてメールを送りましたがこれに返事が無かった場合は、大学の実習責任者のsenior lecturerのC先生に、実習の履行が責任を持って出来ない旨の連絡をしようと思っています。

今日は研究所の電気系統のメンテナンスで、夕方の5時以降は電源がすべてシャットダウン。
セキュリティの関係から、職員および学生は帰ってくれと勧告されていましたので、仕事をそれ迄に切り上げて退散することにしました。普通はこんなに早くに仕事場をあとにすることは無いので、ちょっと新鮮な気分でした。

テーマ:雑記 - ジャンル:日記

  1. 2010/02/05(金) 22:49:39|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8

寄付に拠る研究費

R0015622.jpg
GRD2 ISO100 f3.5 1/250s
今日も肌寒い一日で、時々俄雨が降るぐずついた一日でした。

日本では、まとまった研究費と言えば税金から拠出されて配分されるものが中心です。一番間口が広いのが文科省の配分している科学研究費補助金(いわゆる科研費)、額は大きいが採択件数の少ない科学技術振興機構などが配分している競争的研究資金や、医学系なら厚労省の配分している研究費などです。民間も有るのですが、僕が生業としてきた生命科学/医学研究畑では、はっきり言って大学院生一人分の一年分の研究経費に遥かにおよばない、消耗品代金の足しにしかならない小額のものしかありません。従って、まずは科研費がもらえるのかどうかが、日本で研究者としてやって行くためには生命線と言えます。

英国では、やはり政府系の税金に基づく研究費はとても重要です。税金に拠る研究費配分は8つの学術会議が担っていて、生物系・医学系の研究費は、MRC (Medical Research Council)とBBSRC(Biotechnology and Biological Sciences Research Council)の二つが行います。政府系の研究費の獲得は、MRCの場合は新規採択率がだいたい20~25%程度。当たる確率は低いのですが、人件費も込みで額も十分ですし、日本の科研費がこれと比べて格段に採択率が良いかと言うと、そうでもないのです。日本の科研費のほうが採択件数が多くて間口は広いと思いますが、MRCの一件のプロジェクトに配分される研究費に匹敵する額の研究費をとれる人は人数が非常に限られてしまうのも、日本の残念な所です。一方で、英国では寄付金をベースにした民間の研究費も非常に潤沢で、ここが日本と違って恵まれている所でしょうか。政府系から採れなくても、十分な額の研究費を応募する間口が広いのです。Welcome Trust、Cancer Research UK, British Heart Foundationなどなど、これらのチャリティー団体から交付される寄付金由来の研究費も、だいたい少なくても日本での年間1千万程の研究費に匹敵する規模が有ります。

本日のBBCのニュースで、ちょっと興味深い報道が有りました。興味のある方は、こちらのweb siteへ。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/8493248.stm
英国での痴呆症の患者の総数は、当初の予想を遥かに上まわる数に上っているそうです。一方、病気の研究に費やされている研究費に目を向けると、英国に於けるチャリティー・ベースの研究費でもっとも資金が潤沢なのはCancer Researchで、痴呆症(Alzheimer Research Trust)の研究費の12倍程有りますが、実際に患者さんのケアにかかる費用は痴呆症の方が悪性腫瘍の2倍以上の費用がかかる現実を考えると、もっと研究費の確保と配分を改善するような方策を考えて、早急に原因、治療、そして予防に対する効果的な対策を講じれる様にして行かないと、先々の経済に与える影響がかなり大きいとのことです。

僕のいる研究所には、Cancer Research UKのラボがワン・フロアを占めていて、なるほど使っている道具も資金の使い方も「金が有るなあ」と一見して判るのですが、実際に資金の流れにこれほど格差があると言うことは知りませんでした。僕が所属する研究室は循環器疾患をターゲットにしているので、British HeartかMRCから予算をとる事が定番です。余談ですが、僕の場合はBritish Heart Foundationが3年以上UKに住んでいる実績のある移民にしか研究費の応募を認めていないために、今のところMRCしか間口が有りません。Heart Diseaseに対する研究費の規模は、BBCのweb siteを見ると痴呆症に対するものとあまり大きな差が有りません。欧米では心筋梗塞や心不全に拠る死亡は日本に於けるものよりも遥かに多く、かかる医療費を鑑みると悪性腫瘍の研究に匹敵するくらい問題だと思うのですが、実際に寄付金の流れは疫学的なデータやかかる医療のコストに必ずしも一致していないのですね。

テーマ:科学・医療・心理 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2010/02/03(水) 22:38:35|
  2. 英国
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:7

届かなかった夢

R0015919.jpg
GRD2 ISO400 f2.4 1/60s マクロ
今日も冷え込みの厳しい一日でした。
12月上旬はどうしちゃったのかと思うくらい暖かかったのですが、12月下旬以降の今年のロンドンはとにかく寒い。

今日は下のちび助(息子)の誕生日でした。
先週の土曜日に、近所のパーティスペースを借りて誕生パーティーをしましたので、お友達からもらった誕生日プレゼントがてんこもりで、本人は大満足でした。
30人いる同級生のほとんど全員が来ましたが、家の息子とお誕生日の近い同級生の女の子と共同で主催したので、力が分散してまだ何とかなりましたが、単独主催で30名近くの幼稚園年長相当の子供たちの相手をしようと思うと、きっとへとへとだったに違いありません。Aちゃんのお父さん、お母さん、ありがとうございました。無事に済んで何よりでした。
今日は、妻がチーズケーキを焼いてくれたので、食後にぶたさんのろうそくで飾って、お祝いをしました。

Andy Murray、やっぱり一歩どころか全くRoger Federerが寄せ付けなかったと言う感じです。1セットも奪えないとは。Nadalが怪我に泣いていますから、これは当分Federerの牙城は崩れそうにも有りません。

米国が2020年までに再び月へ人類を送り込もうと言う計画は、白紙撤回との報道も気になりました。経費がかかりすぎる上に、その計画に拠るinnovationが見込めないと言うのが主な理由の様です。たしかに宇宙へ乗り出すための技術革新はそんなに見込めないかもしれませんが、今の技術と調査能力で直接月へいく事で、判る事(たとえばとんでもない資源が月に見つかるとか)が有るかもしれません。個人的には「夢を見れる」国家プロジェクトには、人も集まるし、派生的に雇用も生まれると信じたいのですが、やはり月よりもまずは目先の経済と皆が食べて行ける様にする事が重要だと言う事なのでしょうね。

GR BLOG トラックバック企画「ハート」に参加

テーマ:雑記 - ジャンル:日記

  1. 2010/02/01(月) 22:39:55|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6

まだまだ寒いです

R0015914.jpg
GRD2 ISO100 f5.6 1/400s
久々の更新です。
ロンドンはやはり寒い日が続いていて、この週末は少し小雪がちらつきましたが、積もる程では有りませんでした。

仕事の方はだいぶ片付いて来ましたが、学生の面倒を見るために本業の研究活動の方が圧迫されて、今の研究の進展のスピードを緩めない様に苦しんでいると言った感じです。
毎日更新はしばらく難しそうですが、週に何回と言った頻度でなら何とかなりそうです。

2週間程前に、所属する研究所内での内輪の研究報告会があり、プレゼンターの一人として発表しました。周囲の反応は概ね好評だったようです。まだまだこれからの研究プロジェクトなのですが、年末辺りからようやく芽が出始めた事を実感できる様になり、聞いてくださった周囲の教授陣や研究所のお偉いさん方も、研究の将来性のようなものを感じ取ってくださった様です。まだ最初の仮採用の3年間の最中なのですが、Medical Research Councilから研究費を獲得した事と今回の研究内容のプレゼンの手応えからすると、もう本採用に関しては大丈夫だと考えていいと思っています。出来れば、はやくもう一つ上のポジションにステップアップしたいものだと思っています。

学生の基礎配属の実習も始まりました。担当になった学生は、将来外科医を目指す男の子です。ラボの英国人ポスドク達が得た情報によると、僕に割り当てられた学生は相当な「自信家」の様です。まだ相手をする様になって日が浅いので、本当に前情報通りのキャラなのかどうかは何とも言えませんが、本人の名誉のためにはあまりそういった事前情報による色眼鏡で見ない様に心がけたいものです。

要請されていた論文の審査も無事に終えました。正直、あまりクオリティーの高いものではなくて、英語自体も(人のことは言えませんが)お世辞にも良い文章とは言いがたいものでしたので、僕にとっては「時間の無駄」でした。しかし、レフリーの申請を断る正当な理由(例えば僕が先方の直接の競争相手であるとか)が無い以上致し方ないですし、見方を変えればお互い様なのかもしれません。よくこんなので投稿するのがいるなあと言うのを聞き知ったのも、勉強の一つと言えるのかもしれません。

本日は、曇りがちな寒い一日でしたが、最近できたと人に教えてもらったBelmont children's farmに出かけて来ました。受付に座っていた気さくなおばさんが、親戚が今名古屋で働いていて日本人にはすごく親近感が有ると言って、すごく親切に対応してくれました。出来て2ヶ月程のプチ・動物園と言った感じで、ウサギやフェレットなどの小動物や、ヤギ・羊などの動物などが非常に近いところで接することが出来て、なかなか良い感じでした。誕生パーティーをすることの出来るパーティーエリアがあったり、ワッフルを主体とした軽食を食べられるカフェもあって、子供たちは楽しかった様です。

テーマ:雑記 - ジャンル:日記

  1. 2010/01/31(日) 22:41:29|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
次のページ

プロフィール

Dr Ken

Author:Dr Ken
元小児科医。ある日より、医師としてのキャリアではなく、研究者としてのキャリア・パスを志す。なかなか上達しない英語が、少し歯がゆい。万年筆と銀塩フィルムカメラが好き。縁があってやって来たこの国での貴重な体験や日々感じた事を、写真と一緒に記事にしています。

カレンダー

01 | 2010/02 | 03
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 - - - - - -

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

最新トラックバック

カテゴリ

未分類 (148)
GRD2 (59)
日英の相違 (17)
英国 (165)
研究 (14)
映画 (4)
万年筆 (1)
医学 (7)
旅 (25)

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード